
マンション売却のチラシは信用してもいい?注意点や安心の査定方法を解説
自宅のポストにマンションの売却を勧めるチラシが投函されていた経験がある人も多いでしょう。このような情報を信用しても問題ないのでしょうか?今回は、チラシ内容の見極め方や注意点について解説します。
目次
マンション売却のチラシとは?
マンション売却のチラシとは、不動産会社がマンションの所有者に売却を勧めるための広告のことをいいます。たとえば、「求む!売却物件」といった、印象的なキャッチフレーズが目を引くチラシを目にしたことはありませんか?このようなマンション売却のチラシが、自宅のポストに投函されていたという経験がある人は多いでしょう。
こうしたチラシにはマンション売却を考えている人にとっては気になる内容が書かれていることも多くあります。そこで今回は、マンション売却チラシの種類や、チラシの内容は信用できるか、安心してマンションを売却する方法について解説します。
マンション売却のチラシの具体例4つ
マンション売却を促すチラシは、多様な切り口でマンションを売ってほしいと所有者にアピールするのが特徴です。不動産広告の表現は、宅地建物取引業法や不当景品類及び不当表示防止法などで厳密なルールが定められており、違反すれば処罰の対象になるため、虚偽記載はできないのが大原則です。ただし、それは基本的に買主向けの広告に関するルールの話であり、売主向けの広告には厳密なルールがないため、注意が必要です。
実際に配布されているチラシのキャッチコピーには、以下のようなものがあります。
・当エリア限定!マンション売却物件大募集
・急募!あなたのマンションをお売りください
・○千万円でこのマンションを買いたい人がいます(○代のお客さま)
・お急ぎください!今が高額査定のチャンス!
不動産会社が上記のようなコピーを使う理由と背景について、1つずつ見ていきましょう。
【例1】当エリア限定!マンション売却物件大募集
近年、新築マンションの価格上昇により、中古マンションの売買市場も活況のため、不動産会社がマンションの売却物件を募集しているのは事実である可能性が高いです。しかし、実際に売却したい物件のエリアに限定されているかという点については、本当とはいい切れません。チラシに「当エリア限定」と書くことで、チラシを受け取った人が「うちのエリアは人気だから、このマンションも高値で売れるかもしれない」と売却に興味を持つことを意図しているといえます。
【例2】急募!あなたのマンションをお売りください
前述の理由から、不動産会社は常に中古マンションの売却物件を探しているといえます。どの程度急募かどうかは、不動産会社が現時点で売却物件をどれだけ保有しているかによるでしょう。というのは、仲介手数料を主な収入源としている不動産会社にとって、売却物件は重要な商品であるため、物件を多く保有していないとビジネスにならないからです。そのため、一定以上の物件保有数を安定的にキープする目的で、急募という表現を使っている可能性があります。
【例3】○千万円でこのマンションを買いたい人がいます(○代のお客さま)
マンション売却を促すチラシのなかには、マンション購入希望者の年齢層や購入予定額などを表記しているチラシもあります。そのようなチラシは、受け取った人に「既に買い手がいるならすぐに売れそう」と期待させて売却を後押しする効果があります。しかし、チラシの情報が具体的であっても、それが事実かどうかは判断できないため、注意が必要です。
具体的な数字を掲載する手法はほかにも存在します。たとえば、「このマンションの購入を○組のお客さまが検討されています。」と、複数の買い手候補がいるかのようなイメージを与えるケースが挙げられます。この場合も、購入希望者が本当に存在するかは不明なので気を付けましょう。
【例4】お急ぎください!今が高額査定のチャンス!
マンションの「高額査定」のチャンスは実際にあるといえます。一般的に中古マンションのなかでも、築20年程度までのマンションは特に人気が高い傾向です。
公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」※1のデータによると、中古マンションの平均成約価格は築0~5年が7,077万円、築6~10年が6,655万円、築11年~15年は5,932万円、築16~20年で5,509万円と、築20年以内の物件は軒並み5,000万円を超えています。所有しているマンションの築年数が20年以内の場合は、このチラシの通り、物件が高く評価されやすいうちに売却するのがおすすめです。
チラシの不動産会社に売却の相談をしても大丈夫?
上記の例のようなチラシを作成している不動産会社に連絡して、マンションの売却を相談してもよいでしょうか?先述したように、不動産広告において、買主向けのルールは法令によって決まっていますが、売主向けの規則は特に定められていないのが現状です。そのため、チラシのなかで常識の範囲を超えた大げさなキャッチコピーを使っていたり、売却を急がせて不安をあおるような表現をしていたりする場合は、トラブルが起きる可能性もあるため注意が必要です。
また、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、不動産業者の宅建業免許番号が実際に載っているかを調べるのも1つの方法です。宅建業免許番号とは、不動産業者が建物の売買などの宅地建物取引業を行う際、免許を交付されたときに割り振られる番号のことを指します。
●マンション売却の注意点について詳しい記事はこちら
チラシの不動産会社に連絡するメリットと注意点
マンション売却のチラシを投函した不動産会社に連絡することには、メリットと注意点の両方があります。実際に信頼できる不動産会社か見極めるだけでなく、チラシの不動産会社に連絡するメリットと注意点を考慮して、総合的に検討してみましょう。
メリット
チラシの不動産会社に連絡した場合の大きなメリットとしては、マンションを売りに出した場合、早期に買い手が付く可能性が高いことです。ただし、これは先ほど紹介した「このマンションを買いたい人がいます」といったキャッチコピーが事実であった場合に限るので、不動産会社と媒介契約を結ぶ前に、マンション購入の見込み客が本当にいるのか、不動産会社に聞いてみましょう。
注意点
マンション売却を促すチラシのキャッチコピーに偽りがあり、マンション購入の見込み客がいない場合や、その不動産会社にあまり実績がなく営業力も乏しい場合は、売却が長期化する恐れがあります。さらに、仲介でマンションが売却できず、不動産会社から自社買取を提案された場合は一層注意が必要です。買取とは、不動産売却の際に一般個人のなかで買い手を見つけるのではなく、不動産会社が直接物件を買い取ることをいいます。買取では、仲介手数料はかかりませんが、仲介での成約価格に比べて2~3割ほど低くなりやすいことを覚えておきましょう。
マンション売却は信頼できる不動産会社で!
ここまで、マンション売却を促すチラシの種類や、内容の信憑性などについて解説しました。マンションの売却を考える際、こういったチラシは不動産会社選びの検討材料の1つになりますが、作成元である不動産会社を信頼できるかどうかは、リサーチをしたうえできちんと見極めることが大切です。不動産売却を検討する際に、「適正な売却価格を知りたい」「少しでも高く売りたい」と考えるならば、信頼できる不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
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※1 出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年),公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2024年9月2日)


監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。