ローン残債がある投資用マンションは売却できる?できない場合や注意点なども解説

投資用マンションはローン残債がある状態でも、いくつかの方法によって売却は十分可能です。今回の記事では、売却を実現するための手段や、後悔しないための注意点、残債を減らす方法などを詳しくご紹介します。

目次
  1. 残債がある状態で投資用マンションは売却できる?できない?
  2. 投資用マンションの売却時にローン残債を減らす方法
  3. 残債がある投資用マンション売却の注意点
  4. 残債がある投資用マンション売却の流れ
  5. 不動産会社に相談して投資用マンションの売却を成功させよう
記事カテゴリ 売却 ローン マンション
2024.12.14

残債がある状態で投資用マンションは売却できる?できない?

投資用マンションの売却では、投資用ローンの残債を一括返済できれば売却は可能です。ただし、アンダーローンまたはオーバーローンのどちらに当てはまるかによって対応が異なります。

ここでは、アンダーローンとオーバーローンそれぞれの場合に分けて、売却する方法を解説します。

アンダーローンの場合

アンダーローンとは、売却代金が投資用ローンの残債を上回ることです。そのため、アンダーローンの場合は、マンションを売って得たお金でローンを一括返済することで、売却が可能です。

オーバーローンの場合

オーバーローンとは、売却代金が投資用ローンの残債を下回ることです。そのため、アンダーローンの場合とは違い、売却代金だけではローンを完済できません。しかし、オーバーローンになってしまっても対処法はあります。主に以下の2つです。

・自己資金で補う
・売却時期を見直す

それぞれ詳しく解説していきます。

自己資金で補う
預貯金に余裕があれば、不足分を自己資金で補うことが一般的な対処法です。売却代金と残債にあまり差がない場合、自己資金で補えないか検討してみましょう。

売却時期を見直す
すぐには売却せずに月々の返済を続け、残債を減らしていけば、オーバーローンの状態を解消できる可能性が高まるでしょう。また、売却価格は時期によっても変動するため、高値で売却できそうなタイミングを待つことも1つの手です。こうした不動産市況は、やはり不動産会社が詳しいため、売却を検討している方は一度相談してみるのがおすすめです。

マンションの売却時期を検討する人

投資用マンションの売却時にローン残債を減らす方法

投資用ローンの残債を減らして負担を軽減させる方法は、主に以下の2つです。

・繰り上げ返済をする
・借り換えをする

それぞれ詳しく解説していきます。

繰り上げ返済をする

繰り上げ返済をすることで効率的に残債を減らせるでしょう。繰り上げ返済とは、月々の返済とは別に、まとまった額の返済を行うことです。元金を減らせるため、月々の利息も減らせます。なお、繰り上げ返済には返済期間を少なくする期間短縮型と、月々の支払いを少なくする返済額軽減型があります。まとまった資金が手に入った際は、利用を検討しましょう。

借り換えをする

現在利用しているローンの金利が高く、お困りの方は借り換えを検討しましょう。借り換えとは、現在借り入れしているローンから別のローンへ変更することです。金利の低いローンに変更することで、返済額の負担を減らせる場合があります。ただし、運用状況が厳しいと金融機関に判断されると融資してもらえない恐れもあるため注意が必要です。

借り換え提案書

残債がある投資用マンション売却の注意点

残債がある投資用マンションを売却する際の注意点は以下の通りです。

・売却には諸費用がかかる
・売却前にリフォームをしない
・金融機関に前もって連絡をする
・共同担保ローンの場合は返済額を確定させる

それぞれ詳しく解説していきます。

売却には諸費用がかかる

投資用マンションの売却の際には主に以下のような諸費用がかかります。そのため、売却代金全てをローンの返済に充てることはできません。事前にそれらの金額を資金計画に組み込んでおきましょう。

・仲介手数料
・売買契約書に貼付する印紙代
・抵当権抹消登記費用
・一括返済手数料
・賃貸管理解約違約金(サブリース物件含む)
・預かり敷金

●売却の際の諸費用について詳しい記事はこちら

多額の費用

売却前にリフォームをしない

リフォームを施しても、多くの場合は施工費用を売り出し価格に上乗せすることになり、買い手が付きにくくなる恐れがあります。またリフォームに費用をかけると、オーバーローンの際に、自己資金を追加できず完済が難しくなる恐れがあります。そのため、リフォームをするかどうかはまず不動産会社に相談しましょう。

金融機関に前もって連絡をする

投資用マンションの売却時には、借入先の金融機関に事前に連絡するようにしましょう。なぜなら、金融機関が設定した抵当権を抹消する手続きに、一定の期間がかかる可能性があるためです。また、金融機関によって返済手数料も変動するので、想定している以上に費用がかさむこともあるでしょう。スムーズに売却を実現するためにも事前に連絡をしておきましょう。

共同担保ローンの場合は返済額を確定させる

共同担保ローンとは、自宅や投資用物件といった複数の物件をまとめて担保にしている状態です。たとえば、借入希望額に対して融資額が不足する場合、別の物件も担保とすることで融資額を引き上げられるケースがあります。投資用マンションを売却することで、共同担保としているほかの不動産で担保割れが起きる場合は、共同担保を外せず売却できない恐れがあります。そのため、売却を検討している投資用マンションに共同担保を設定している場合は、金融機関に担保設定状況を確認しましょう。

投資用マンションの売却の成立

残債がある投資用マンション売却の流れ

投資用マンションの売却の流れは以下の通りです。

1.残債がいくらなのか確認する
2.不動産会社に査定を依頼する
3.不動産会社と媒介契約を結ぶ
4.購入希望者と売買契約を結ぶ
5.決済と引渡しを行い、ローンを完済する
6.抵当権の抹消手続きを行う

それぞれコツや注意点を簡単に解説していきます。

1.残債がいくらなのか確認する

売却活動を行う前に、残債がいくらなのかを必ず確認しましょう。また、投資用マンションの売却にどのくらい費用がかかるのかを調べ、あらかじめ資金計画を立てておくことが重要です。

2.不動産会社に査定を依頼する

実績が豊富な信用できる不動産会社へ依頼し、査定によって推定売却金額である査定価格を把握しましょう。実績豊富な不動産会社に査定を依頼することで、精度の高い査定が受けられます。

感じのよい不動産会社の担当者

3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

媒介契約とは、不動産会社に売買を仲介してもらう際に結ぶ契約のことを指します。「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類から選びましょう。不動産会社と媒介契約を結べば、いよいよ売却活動が始まります。

●媒介契約について詳しい記事はこちら

4.購入希望者と売買契約を結ぶ

売却活動の後、購入希望者のなかから買主を選び売買契約を結びます。このとき、トラブルにならないためにも、事前に重要事項説明書と売買契約書の内容について不動産会社と打ち合わせを行い、内容に誤りや漏れがないかを確認しましょう。

5.決済と引渡しを行い、ローンを完済する

一般的には、売買契約書の内容に売主と買主が合意することで、売買契約を締結し、その後決済・引渡し日を確定させます。決済当日には、金融機関が算出した残債と金利を一括返済できるようにしておきましょう。

6.抵当権の抹消手続きを行う

先の過程で、一括返済ができていれば、金融機関から抵当権抹消の案内が届きます。自ら手続きを行うこともできますが、司法書士への依頼が一般的です。

不動産会社に相談して投資用マンションの売却を成功させよう

今回の記事では、残債がある状態の投資用マンションの売却について解説しました。残債がある投資用マンションでも、ローンを一括返済できれば売却は十分可能です。そのため、まずは残債と査定価格を比較し、完済できるかどうかの確認からはじめましょう。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。