
新築と中古のメリット・デメリットは?後悔しないために知っておくべきこと
住宅の購入を検討する際、新築と中古のどちらを選ぶか悩む方は多いでしょう。購入後に後悔しないためには、あらかじめメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。この記事では、それぞれの特徴やかかる費用などについて、マンションと一戸建ての比較も含めて解説します。
新築住宅のメリット
住宅を購入するにあたり、新築住宅と中古住宅のどちらを選ぶかは、そのメリットを把握しておくと判断しやすくなります。主なメリットを順番に見ていきましょう。
最新の機能や設備が備わっている
新築の物件であれば、最新技術が搭載された設備が備わっているのが一般的です。タッチレス水栓や食器洗い乾燥機などを備えたシステムキッチン、浴室暖房付きバスルーム、タンクレストイレなど、日常的に使用する設備の機能が充実しています。
また、建築基準法にもとづく最新の耐震基準を満たした住宅であれば、地震による倒壊の懸念も少ないでしょう。柱や梁といった構造上の問題も少なく、安全性の高さが特長です。
維持費用が抑えられる
内装や外装だけでなく設備も全て新しいため、すぐには修繕費用がかかりません。より耐久性に優れた建材が使われることが多く、修繕が必要となるタイミングが遅くなります。また、省エネ効果のある高性能建材や構造であれば気密性や断熱性が高くなり、高熱費を抑えられるという恩恵も得られるでしょう。
そして、新築住宅には、法律にもとづき、雨漏りや構造耐力上の主要な部分などの不具合について10年間の売主の修補責任も付いているため、万一の不具合の際にも安心です。
税制優遇を受けられる
住宅ローンを利用して住宅を新築・取得した場合には、年末のローン残債の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除できる住宅ローン控除(住宅ローン減税)という税制優遇を受けられる場合があります。特に、中古住宅が最大10年間控除できるのに対し、優遇期間が長く設定され、年間の最大控除額も高く設定されているのは大きなメリットです。ただし、2024年1月以降に新築確認を受けた住宅が住宅ローン控除の適用を認められるためには、その住宅が省エネ基準を満たしていなければなりません。
また、新築住宅では住宅ローン控除のほかにも住宅にかかる固定資産税が3年間(マンションの場合は5年間)減額されるという優遇が受けられます。
新築住宅のデメリット
購入後に後悔しないよう、事前に新築住宅のデメリットも知っておくとよいでしょう。主なデメリットは以下の通りです。
価格が高い
新築住宅は、中古住宅に比べ購入価格が高いのが一般的です。これには、設備性能の高さだけでなく、建築資材や建築費、人件費の高騰などさまざまな要因があります。新築住宅の購入価格には設備以外の付加価値が含まれているため、中古住宅を購入しリフォームを行った際にかかる総費用よりも高くなる場合があります。また、資産価値の下落するスピードが早い点にも注意が必要です。
完成後をイメージしにくい
新築住宅は、未完成の状態で販売されることが多いため、完成後の住宅を具体的にイメージしにくいこともデメリットの1つです。結果として、想像しえなかった問題から購入を後悔することになる場合もあります。購入前に完成予想図を確認していたとしても、たとえば、望んでいた日当たりや眺望が得られなかったり、近隣住民や騒音に悩まされたりといったことが考えられます。
人気エリアに住めるとは限らない
駅が近く、周辺施設も充実しているなど、立地条件がよいエリアには、既に多くの建物が建っています。そのため、新築住宅を建てる土地が少なく、仮に見つかっても購入希望者が殺到し抽選販売となるケースもあります。また、人気エリアの需要の高さに応じて、販売価格は中古住宅に比べて格段に高くなることも無視できない点です。
中古住宅のメリット
他方、中古住宅にもメリットがあります。主なメリットについて解説します。
価格が割安
中古住宅の最大のメリットは、新築住宅に比べ安く購入できることです。また、中古住宅のなかには想像以上に建物のコンディションが良好なものもあり、割安に感じる物件もあります。新築住宅とは対照的に、資産価値の下落スピードが遅いという特徴もあります。
実物を確認してから買える
中古住宅は実物を見たうえで購入できるため、入居後の暮らしをイメージしやすいというメリットもあります。間取りや日当たり、建物内外の劣化状況が把握できるだけでなく、近隣住民や周辺環境も把握しやすいため、入居前後のイメージがかけ離れることは少ないでしょう。
立地の選択肢が多い
中古住宅は、都市部、郊外を問わず、幅広いエリアで売りに出されています。新築住宅を見つけることが難しい立地条件のよい都市部や人気エリアでも、中古住宅なら見つかるでしょう。また、多くの選択肢のなかから、理想の立地条件に近い住宅を探すことも可能です。
中古住宅のデメリット
ランニングコストがかかる
中古住宅は、建物や設備が古く修繕費用がかさみがちです。特に、キッチンやバス、トイレなどの水回り、壁紙やフローリングは、すぐに修繕が必要な場合もあります。また、新築住宅に比べて耐震性や断熱性が劣る場合が多く、これらを改善するためには高額なリフォーム費用がかかることがあります。
住宅ローンの借り入れに条件が付けられることがある
中古住宅を住宅ローンで購入する場合、借り入れに条件が付けられることがあります。たとえば、住宅ローンの審査対象には物件の担保価値等が含まれており、築年数が古いと返済期間を短縮される場合が考えられます。購入前に住宅ローンの事前審査を受ければ、希望通りの借入条件を満たせるかどうかを確認できます。物件探しの早い段階で受けるのがおすすめです。
●住宅ローンの審査についてはこちら
耐震基準を満たしていない場合がある
1981年以前に建築された旧耐震基準の建物は、建築基準法改正により耐震基準が強化された現在の耐震基準を満たしていないものが多くあります。耐震基準を満たしているから被害が出ないとはいい切れませんが、旧耐震基準の建物の場合、耐震診断や耐震補強工事の有無などから、安心して暮らせる建物であるか見極めるのがよいでしょう。
新築と中古、費用面ならどっちがお得?
ここまで見てきたように、新築住宅と中古住宅には、それぞれ長所と短所があります。購入費用、メンテナンス費用、設備の性能、立地条件など住宅選びに重要な諸条件は、購入者の資金計画やライフスタイルによって優先順位が変わるものです。新築住宅と中古住宅、後述する一戸建てとマンションのそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自分の理想に合った住宅を選ぶよう心がけましょう。
よくある質問
新築の一戸建てとマンションのメリット・デメリットは?
新築の一戸建て、マンションの主なメリットとデメリットは以下の通りです。
比較項目 | 一戸建て | マンション |
---|---|---|
メリット | ・耐震性や断熱性が高い建物が多い ・耐久性の高い材料が使用されていることから、修繕が必要になるまでの期間が長く建物も長持ちしやすい | ・専有部分内だけでなく共用部分も含めてバリアフリー化されている ・コンクリート強度が高まり構造体の耐久性が高まっている |
デメリット | ・敷地や各部屋の大きさに余裕のないものがある ・日当たりが期待できないものがある ・建物に消費税がかかる | ・パンフレットや図面だけでは、エントランスから専有部分までや、専有部分からゴミ置き場、駐車場までの高低差も含めた生活動線がつかみにくい ・近隣の建物の近接状況や日当たり、風通しの具合がつかみにくい ・建物に消費税がかかる |
中古の一戸建てとマンションのメリット・デメリットは?
中古の一戸建て、マンションの主なメリットとデメリットは以下の通りです。
比較項目 | 一戸建て | マンション |
---|---|---|
メリット | ・建て替えの選択肢がある ・目に見えない建物の不具合以外はメリットとデメリットが可視化されているので判断しやすい | ・既にコミュニティーが形成されていることから、入居後の暮らしが想像しやすい ・共用部分等の様子から管理状況が把握しやすい |
デメリット | ・雨漏りやシロアリの害など、経年劣化により建物のコンディションがよくないものがある ・リフォームや補修費に多額の費用がかかってしまうことがある | ・修繕積立金が値上げされたり、積立金が不足したりすることがある ・防犯性能が低めの場合がある ・高齢化に伴い管理運営に支障が生じる場合がある |
住み替えを検討しているなら、まずは査定から
この記事では、新築と中古の住宅のメリットとデメリットについて解説してきました。それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで物件選びを始めましょう。
住宅購入を検討している方のなかには、住み替えを考えている方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、今住んでいる家をより高く売却できれば、その分新居の購入に充てられるため、不動産売却に欠かせない不動産会社選びがより重要です。経験豊富な信頼できる不動産会社に売却のサポートを任せましょう。
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監修者:三上隆太郎
株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/