
引っ越し時期のおすすめはいつ?閑散期や繁忙期についても比較解説
引っ越し(引越し)時期のおすすめは、6月と11月です。どちらも引っ越しの料金を抑えやすいだけでなく、物件を焦らず検討できるというメリットがあるためです。しかし、人によって最適な引っ越し時期は異なります。この記事では、引っ越しの閑散期と繁忙期の比較、時期別の状況などを解説します。
引っ越し時期におすすめなのは6月と11月!
新生活が始まる春先は引っ越しをする人が多いため、引っ越し業者の予約が取りにくく、料金も高いといった事情があることは一般的に知られているでしょう。もし引っ越すタイミングが限定されていないのであれば、おすすめなのは6月と11月です。なぜ6月と11月が引っ越し時期としておすすめなのか、その理由を以下で解説します。
6月がおすすめの理由
春先の繁忙期を過ぎた6月は、閑散期にあたるため、料金が安くなる時期です。賃貸契約や買い替え、新築購入にあたり、引っ越す時期をコントロールできるのであれば、6月にすると引っ越しにかかる費用を抑えられるでしょう。
また、6月はジューンブライドの時期でもあります。そのため賃貸の場合は、結婚時期に合わせて2人暮らし用やファミリー用の新築物件が増えるほか、それまで1人暮らしだった人が2人暮らし用の物件に移ることも多いため、単身者用の空き物件も増える傾向があります。
11月がおすすめの理由
11月は、企業の人事異動による9月からの繁忙期が落ち着いてくるため、1年で最も引っ越し需要が低く、料金も安くなる時期です。また、繁忙期は引っ越しの予約が取りにくく、特に大安といった縁起がよい日や休日はすぐに予約が埋まってしまいますが、閑散期の11月であれば日時の希望が比較的通りやすいでしょう。
さらに、気候のよい10月~11月ごろはジューンブライドより人気の結婚式シーズンでもあり、6月と同じように賃貸物件の場合には、2人暮らし用やファミリー用の新築物件も多く出回り、それに伴う引っ越しにより単身者用の空き物件も増えます。
上記をまとめると、6月と11月が引っ越しにおすすめなのは、閑散期なので安くスムーズに進めやすいからです。また、賃貸の場合、結婚時期を狙った新築物件の増加と、その引っ越しに伴う単身者用物件も出やすいというメリットもあります。ただし、引っ越しにおいて閑散期が有利、繁忙期が不利とは一概にいえません。次項からは、それぞれの特徴について解説していきます。
引っ越し時期の閑散期
引っ越しの閑散期とは、一般的に5月~8月ごろと11月~12月ごろを指します。閑散期は、繁忙期に比べて料金が安く、予約も取りやすい時期です。しかし、そうしたメリットがある一方で、注意しなければならない点もあります。以下に、閑散期に引っ越すメリットと注意点を一覧表でまとめました。
メリット | 注意点 |
---|---|
引っ越し料金を抑えやすい | 繁忙期に比べて物件数が少ない傾向がある |
物件を焦らず検討できる | 物件の比較検討がしにくい |
予約が取りやすい | 繁忙期に開催されるキャンペーンを使えない |
これらのメリットと注意点について、以下で詳しく見ていきましょう。
閑散期のメリット
閑散期のメリットは以下の3つです。
・引っ越し料金を抑えやすい
・物件を焦らず検討できる
・予約が取りやすい
閑散期は引っ越しをする人が少ないため、繁忙期やそのほかの時期に比べて引っ越し料金が安く設定されていることが多いという傾向があります。また、繁忙期に比べて、ほかの売買物件の購入検討者や賃貸物件への入居希望者も少ないため、焦らずじっくり物件を選びやすくなります。
さらに、閑散期は引っ越しの需要が低いことから引っ越し業者の予約が取りやすいというメリットもあります。希望通りの日程で引っ越しできる可能性が高いため、引っ越しの計画がスムーズに進むでしょう。料金を抑えたい方や、焦らず自分のペースで引っ越ししたい方は、閑散期の引っ越しがおすすめです。
閑散期の注意点
閑散期には上記のようなメリットがある一方で、注意点もあります。閑散期の注意点を確認しましょう。
・繁忙期に比べて売買物件数や賃貸空き物件数が少ない傾向がある
・物件の比較検討がしにくい
・繁忙期に開催されるキャンペーンを使えない
閑散期は引っ越しをする人が少ないため、繁忙期と比べれば売買物件の情報や賃貸の空き物件数も少ないという傾向があります。そのため、物件の比較検討は難しくなるでしょう。また、繁忙期の2月~4月ごろには、「新生活応援フェア」のようなキャンペーンが開催され、家具や家電を通常よりもお得に購入できることもよくあります。閑散期にもキャンペーンが実施されることはありますが、繁忙期に実施されるキャンペーンとは内容が異なる可能性があります。家具や家電の購入費用を抑えたい方や、多くの物件を比較検討して決めたい方は、閑散期を避けたほうがよいでしょう。
引っ越し時期の繁忙期
引っ越し時期の繁忙期とは、一般的に新生活が始まる2月~4月ごろを指します。また、企業の上半期が終わり、下半期が始まる9月~10月ごろは、転勤で引っ越しをする人が増えるため「第2の繁忙期」と呼ばれることもあります。繁忙期は、引っ越し料金が高く設定されていて、予約も取りにくいなど注意点が多い一方、メリットもあります。以下は、繁忙期に引っ越すメリットと注意点をまとめた一覧表です。
メリット | 注意点 |
---|---|
物件数が多い | 引っ越し料金が高い傾向がある |
物件の比較検討がしやすい | 予約が取りにくい |
新築の賃貸物件数が多い | 賃貸物件の場合、すぐに入居する物件を決めなければならない |
これらのメリットと注意点について、以下で詳しく見ていきましょう。
繁忙期のメリット
繁忙期というと注意すべきことが多いイメージがあるかもしれませんが、メリットも存在します。繁忙期のメリットは以下の3つです。
・売買物件数や賃貸空き物件数が多い
・物件の比較検討がしやすい
・新築の賃貸物件数が多い
引っ越しの繁忙期は、賃貸物件の場合、入居者が多いのと同時に退去する人も多いため、入居可能な物件数が増えます。また、住み替えの場合も、新生活でニーズが増えるのに合わせて、購入検討できる売買物件が多く市場に出回ります。そのため、物件の比較検討がしやすく、希望する条件により近い物件を見つけられる可能性が高まるでしょう。なるべく多くの選択肢から条件に合う物件を探したい方や、新築の賃貸物件に入居したい方は、繁忙期の引っ越しがおすすめです。
繁忙期の注意点
繁忙期の注意点は、イメージしやすい人が多いかもしれません。しかし、ここで改めて詳しく確認しましょう。繁忙期の注意点は以下の通りです。
・引っ越し料金が高い傾向がある
・予約が取りにくい
・賃貸物件の場合、競争率が高いため、すぐに入居する賃貸物件を決めなければならない
繁忙期は引っ越しのニーズが高まる時期なので、引っ越し業者も人手が足りなくなりがちです。そのため、予約が取りにくく、引っ越し料金も高く設定されます。また、賃貸物件の場合には退去者が多いのに比例して物件数が多い一方で、物件を探す人も多いため、競争率は上がります。この時期、希望する賃貸物件に住むには、スピーディに決断しなければなりません。物件をじっくり検討したい方や、引っ越し料金を抑えたい方は、繁忙期の引っ越しを避けたほうがよいでしょう。
【時期別比較】引っ越し市場の状況
引っ越しは、時期によって市場の状況が大きく異なります。以下で、1年を複数に分けてその時期の引っ越し市場の状況を解説します。
時期 | 料金 | 売買物件数や賃貸物件数 |
---|---|---|
1月 | 安 | 中 |
2月~3月 | 高 | 多 |
4月 | 中~高 | 中 |
5月~8月 | 安 | 少 |
9月~10月 | 中 | 中 |
11月~12月 | 安 | 少 |
【1月】1年で最も選択肢が多い
1月は、入居募集が最も増える時期ですが、引っ越しをする人が比較的少ないため、引っ越し料金は抑えられます。賃貸物件の場合、多くの選択肢から空き物件を比較検討できるうえ、引っ越し料金を抑えられるため、早めに進学先や勤務地が決まった方は、1月のうちに入居物件を決めておくとよいでしょう。
【2月~4月】新生活に向けて物件探し、引っ越しをする人が増加する
2月~4月は、新生活に向けて物件探しや引っ越しをする人が大きく増加する時期です。この時期は、物件を探している人が多いため、賃貸物件の場合は特に物件探しのスピードが重要になります。気に入った物件があればすぐ賃貸借契約に進むべきでしょう。
2月~4月上旬にかけて、引っ越しは最繁忙期を迎えるため、料金も高く、予約も取りにくくなりますが、4月中旬からは引っ越しのニーズも次第に落ち着き、料金も安くなってきます。
【5月~8月】引っ越しのニーズが最も落ち着く
2月~4月の繁忙期を抜けると、引っ越しのニーズが落ち着き、料金も安くなります。この時期は、6月の梅雨や夏の猛暑など、気候的な負担がかかるため、引っ越す人が少なくなります。気候を気にしないのであれば、この時期に引っ越しをすることで、料金をかなり抑えられるでしょう。ただし、5月のゴールデンウィークや8月のお盆休みの期間は、長期休みが取りやすく、引っ越しをする人が増えて料金が少し高くなることもあるので注意が必要です。
【9月~10月】「第2の繁忙期」転勤をする人が増える
9月~10月は、企業が上半期を終え、下半期が始まるタイミングでの転勤が増える時期で「第2の繁忙期」といわれています。料金はやや高くなりますが、その分物件数も比較的増える時期です。物件数は閑散期より多く、料金は最繁忙期よりも抑えられるため、この時期の引っ越しは条件のバランスがよいといえるでしょう。
【11月~12月】賃貸物件は空き物件が徐々に増えてくる
11月~12月は、「第2の繁忙期」が落ち着き、1年のなかで最も引っ越しの需要が低く、料金も安くなる時期です。料金を抑えたい方にはおすすめですが、その分売買物件数や賃貸物件数は少なくなります。ただし、賃貸物件の場合には翌年の年始に向けて徐々に空き物件が増えてくるでしょう。また、年末年始は料金がかなり高くなるため、年末年始の休みを利用して引っ越しを行おうとしている方は注意が必要です。
希望する時期に引っ越すための準備
希望する時期に引っ越すためには、事前に不用品の処分や引っ越し業者の比較など、多くの準備が必要です。ここでは、賃貸物件から売買物件に引っ越す場合と、住み替えにより持ち家を売却してから引っ越す場合でそれぞれ必要な準備を見ていきましょう。
賃貸の場合
賃貸物件から売買物件に引っ越す場合に必要な準備は以下の2つです。
・引っ越しのおおよそ6か月前から物件探しを始める
・引っ越しの1か月~2か月前までに旧居の解約手続きを申し出る
売買物件を探す際は、賃貸物件に比べて各種手続きが必要です。そのため、余裕を持って、引っ越しのおおよそ6か月前に物件探しを始めるとよいでしょう。スムーズな物件探しのために、どのような物件に住みたいか、希望条件を事前に整理しておくことをおすすめします。
また、旧居の解約も同時に進めなければなりません。賃貸借契約書には、解約前に告知をしなければならないと記されています。一般的には1か月~2か月前までに告知が必要とされていますが、物件によってその期間は異なるので、賃貸借契約書を確認しておきましょう。
住み替えの場合
住み替えで引っ越すにあたり、仲介でもとの家を売る場合、売却活動を開始する前に必要な準備は以下の2つです。
・家の査定を行う
・媒介契約を結ぶ
持ち家の売却は、まず家を査定することから始まります。査定の依頼を通して不動産会社の強みや実績の豊富さ、担当者が誠実に対応してくれるかを見極め、信頼できる不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を進めましょう。
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三井のリハウスは引っ越しもサポート
おすすめの引っ越し時期には、予約が取りやすく料金が安い6月と11月が挙げられますが、その人の状況によっては別の時期のほうがよいこともあります。特に持ち家を売却して引っ越しする場合は、多くの手続きを踏む必要があり、売却活動の進み具合によって引っ越しのタイミングを調整しなければならない可能性もあります。
三井のリハウスでは、査定や売却の仲介に加えて、ご成約者さまへのサポートとして引っ越し会社をご紹介しています。複数社まとめて無料で見積り依頼をすることも可能です。売却後の引っ越しについてお悩みの方は、ぜひ三井のリハウスへお気軽にご相談ください。
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不動産鑑定士 竹内英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/