マンション売却するときの引越しはいつ行うとよい?売却のタイミングから注意点まで解説

マンション売却に伴う引越し(引っ越し)は、物件の引渡し日までに済ませなければなりません。そのため、売却が決まったら、新居もしくは仮住まいをいち早く見つける必要があります。この記事では、マンション売却時の適切な引越しタイミングや流れ、注意点について解説します。

目次
  1. マンション売却時の適切な引越しタイミングは?
  2. マンションが売れる前に引越しをする際の注意点4つ
  3. 引越しに備えよう!マンション売却の流れ
  4. 新居の契約が間に合わなかったときの対処法
  5. マンション売却時の引越し費用
  6. マンション売却の引越しをスムーズに行おう!
2025.07.16

マンション売却時の適切な引越しタイミングは?

マンション売却に伴う引越しは、物件の引渡しの前までに終わらせておく必要があります。その理由については、以下で詳しく説明します。

マンションを売却して引越しする家族

引渡し前までが原則

特段の事由がない限りは、売却するマンションの引渡しに合わせて新居や仮住まいを準備し、引渡し日までに引越しを済ませましょう。不動産売却では、物件の引渡しまでに所有物を全て撤去するのが原則とされています。引渡しまでに引越しが完了していないと、債務不履行と見なされ損害賠償を請求されることもあります。

一般的に、引渡し日は売買契約から2か月~3か月後が目安です。引渡し日については買主と相談できる場合もありますが、長期間の猶予は認められないことがほとんどであるため、できる限り早く引越し準備を進める必要があります。

売却当日の引越しは不動産会社へ相談が必要

新居や仮住まいの都合によっては、引渡し当日に引越しを行いたい方もいるでしょう。また、「売り買い同日決済」という手法を利用すれば、旧居と新居の同日決済ができ、旧居と新居の二重ローンや仮住まいの費用を避けるために有効とされています。

しかし、物件の引渡し時には売買の残代金の決済、所有権移転登記や固定資産税等の清算などもあります。これらの手続きの後に引越し作業を行うのは時間的に厳しく、特に、仲介する不動産会社が売却する物件と引越し先で異なる場合は、さらに難しいです。希望する方は不動産会社へ相談してみましょう。

マンションが売れる前に引越しをする際の注意点4つ

マンション売却が完了する前に理想の新居が見つかり、早々に購入を決めたいケースもあるかもしれません。しかし、引渡し前に新居を購入し、引越すときには、売買契約解除のリスクにも備えておきましょう。不動産の売却代金は売買契約時と引渡し時の2回に分けて入金されるのが一般的であるため、途中で契約解除となると売主側の資金計画にも影響します。そのため、マンション売却のめどが立っていない段階での引越しは、費用面でのリスクを伴います。売却前に引越す場合の主な注意点は、以下の4つです。

・手付金による解約
・住宅ローンの特約による契約解除
・買い替え特約による契約解除
・売却活動中の維持費

マンションの売買契約書

手付金による解約

マンション売却に伴う引越しで注意したいのは、買主が支払った手付金を放棄すれば、売買契約を解約できる点です。民法では、「当事者の一方が履行に着手するまで」は手付金を理由にして契約を解除できると明記されています。

履行の着手と判断される例はいくつかあります。たとえば、買主が手付金以外の中間金を支払い済みの場合や、売主が買主の希望に応じて土地の分筆登記を行った場合には履行の着手と見なされるため、契約解除ができません。

●手付金による契約解除の期限と方法についてはこちら

住宅ローンの特約による契約解除

多くの場合、買主は住宅ローンを利用して物件を購入します。その際には、ローン特約を付けるのが一般的ですが、これによって売買契約が白紙になる可能性があるのも、引越しする際の注意点です。ローン特約では、金融機関から買主が求める融資額を受けられなかった場合、期日までであれば契約を解除できることが定められています。

売主の方は、住宅ローン特約による解約リスクも踏まえ、不動産会社とよく相談して買主を選びましょう。

住宅ローンのキャッシュフロー表

買い替え特約による契約解除

買い替え特約とは、特約で定められた期間と価格で買主が旧居を売却できなかった場合に、売買契約を白紙に戻せる特約です。買い替え特約は買主から契約を解除されてしまうリスクもあるため注意が必要です。ただし、売却が難しい物件では、買い替え特約に応じることによって売買契約がスムーズに進む可能性があります。買い替え特約を設定するかどうかは、買主や不動産会社とも十分に話し合ったうえで決定することが望ましいでしょう。

売却活動中の維持費

新居へ引越しても旧居のマンション売却がなかなか決まらない場合、主に以下のような維持費が発生します。

・固定資産税
・都市計画税(都市計画区域内の場合)
・管理費
・修繕積立金

売却のめどがまったく立っていない状態で引越すと、多額の費用を支払うリスクが生じることを覚えておきましょう。

引越しに備えよう!マンション売却の流れ

引越しの準備は、引渡しの1か月~1か月半前に始めるのがおすすめです。マンション売却の流れでいうと、どのタイミングで引越しを行うのが適切なのか、詳しく見ていきます。

売却の流れ

マンション売却の大きな流れは以下の通りです。

1.査定
2.媒介契約
3.売却活動
4.売買契約
5.決済・引渡し
6.確定申告

マンション売却をすると決めたら、まずは査定を依頼します。信頼できる不動産会社が決まったら媒介契約を結び、買い手を探すための売却活動を進めていきます。売却活動は、媒介契約から買主との売買契約に至るまで、3か月~6か月かかることが一般的です。

●不動産売却の流れについてはこちら

次に、上記の売却の流れと同時進行で行う新居への引越し準備について、詳しく見ていきましょう。

売り出し中のマンションイメージ

売却活動中に引越し準備もリストアップしておく

売却活動中には、引越しに必要な手続きを調べておくと新居への引越しもスムーズに進みます。

たとえば、旧居・新居それぞれの役所での各種変更手続き、旧居のライフラインの停止、新居のガス開栓の立ち会いなどがあります。そのほかの必要な手続きについては、以下の記事をぜひ参考にしてください。

●引越しの手続きについてはこちら

買い手が見つかったら引越し準備を始める

購入の申し込みがあれば、条件を相談のうえ、売買契約を結び決済・引渡し日も決定します。引渡し日から逆算してスケジュールを立てれば、具体的な引越し手続きが進められます。

●引越しのやることリストについてはこちら

新居の契約が間に合わなかったときの対処法

旧居の引渡しまでに新居の購入・入居ができない場合には、仮住まいや荷物保管サービスの利用がおすすめです。賃貸物件やマンスリーマンションなど、初期費用が抑えられる仮住まいを見つけましょう。荷物はトランクルームで保管するほか、宅配型の収納サービスもあり、好きなタイミングで荷物の集荷と取り出しを依頼できます。また、新居の住所が決まっている場合は、引越し業者の一時保管サービスを利用できることもあります。

引越し作業中の人

マンション売却時の引越し費用

引越しの平均費用は、移動距離が50km未満の場合、単身者であれば4万円~7万円程度、3人~4人の家族なら9万円~15万円程度が一般的です。ただし、引越し時期、人数や距離、荷物の量によって料金は変動するため、引越し業者の見積もりを取って検討するのがよいでしょう。

●引越し費用についてはこちら

引越し費用の見積もり

マンション売却の引越しをスムーズに行おう!

現在お住まいのマンションを売却するうえで、いつ引越しを行うべきかは売却活動の進み具合に左右され、タイミングに迷うことがあります。住み替えの場合は、売却活動と並行して新居もしくは仮住まいを見つけなければなりません。売却から購入まで同じ不動産会社で行えるとスムーズに進みやすく、相談もしやすいでしょう。

三井のリハウスでは、売却だけでなく、住み替えのご相談や引越しのサポートまで行っています。

●住み替えのご相談はこちら

●引越しサポートはこちら

また、売却後の資金計画や引越しまでのスケジュールを決めるうえで、マンション売却前の査定は重要な判断基準になります。三井のリハウスでは、100万件を超える取引実績にもとづく、不動産の無料査定を行っています。マンションの売却と住み替えをご検討の方は、無料査定からお気軽に始めてみてはいかがでしょうか?

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不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/