コンクリート打ちっぱなしとは?メリットや注意点を解説

コンクリート打ちっぱなしは、おしゃれで人気があり、デザイナーズ物件ではよく見られる仕上げです。しかし、室内の温度調整が難しく、結露・カビが発生しやすいなどの注意点もあります。この記事では、コンクリート打ちっぱなしのメリットや注意点、メンテナンス方法などについてご紹介します。

目次
  1. コンクリート打ちっぱなしとは?
  2. コンクリート打ちっぱなしのメリット
  3. コンクリート打ちっぱなしの注意点
  4. コンクリート打ちっぱなし物件のメンテナンス方法
  5. コンクリート打ちっぱなし物件を売る際のアピールポイント
  6. コンクリート打ちっぱなし物件の売買はまず不動産会社に相談を!
2025.08.29

コンクリート打ちっぱなしとは?

コンクリート打ちっぱなしとは、RC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造の建物で、外装や内装でコンクリートをむき出しの状態のまま仕上げる方法のことです。

一般的には、鉄筋や鉄骨を組んだ型枠にコンクリートを流し込んだ後、型枠を外したコンクリートの上に塗装をしたり、タイルや壁紙を貼ったりして仕上げます。一方、コンクリート打ちっぱなしは、型枠を外したコンクリートそのままの状態で完成とするのが特徴です。生活感が出にくいので、おしゃれな雰囲気を求める人からのニーズが高いデザインとされています。

コンクリート打ちっぱなし物件のリビング

コンクリート打ちっぱなしのメリット

コンクリート打ちっぱなし物件のメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。

・デザインが洗練されている
・防音性に優れている
・木造より広い空間が作れる
・耐震性・耐火性が高い

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

デザインが洗練されている

コンクリート打ちっぱなし物件の大きなメリットは、デザインが洗練されて見える点です。コンクリートが持つグレーの色調は、クールで都会的な印象を与えるほか、デザインのある壁紙を張らないため、モダンでミニマルな雰囲気も演出できます。さらに、木や金属、ガラスなど、さまざまな素材との相性もよいため、インテリアを自由にアレンジできるでしょう。

おしゃれなデザインのコンクリート打ちっぱなし物件

防音性に優れている

コンクリート打ちっぱなし物件に見られるRC造やSRC造は、木造に比べて防音性に優れています。なぜなら、コンクリートは木よりも重量があり密度が高いという特徴から、音を通しにくいためです。生活音が気になる方や、静かな空間で暮らしたい方には適した構造といえるでしょう。

木造より広い空間が作れる

コンクリート打ちっぱなしを採用できるRC造やSRC造の建物は、開放感のある広い空間を作れます。強度が高いコンクリート壁は、柱と柱の距離を長くすることができ、多くの柱を建てずに済むためです。空間を広く使えると、インテリアの自由度が高まり、部屋の模様替えやライフスタイルの変化にも対応しやすいでしょう。

耐震性・耐火性が高い

コンクリート打ちっぱなし物件には、木造より地震時の揺れが小さいというメリットもあります。RC造やSRC造には、圧縮に強いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋が使用されており、縦揺れと横揺れのいずれにも耐性が高いためです。

さらに、コンクリートは不燃素材であり、火や熱に強い性質を持っています。そのため、長時間火にさらされても燃えることがなく、強度も下がりません。

このように、コンクリート打ちっぱなし物件は耐震性や耐火性が高い点から、地震保険料や火災保険料を抑えられるメリットもあります。

コンクリート打ちっぱなしの注意点

コンクリート打ちっぱなし物件にはメリットもありますが、注意点もあります。主な注意点には以下の3つが挙げられます。

・外気温に影響を受けやすい
・結露・カビが発生しやすい
・汚れが目立ちやすい

それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

結露やカビが発生しやすいコンクリート打ちっぱなし

外気温に影響を受けやすい

コンクリート打ちっぱなし物件は、外気温の影響を受けやすいことが注意点の1つです。コンクリートは熱伝導がよく、外の温度を室内に伝えやすい性質を持っています。そのため、外壁も内壁もコンクリート打ちっぱなしで、壁の間に断熱材が施されていない場合、夏は暑く、冬は寒いといわれることが多くあります。さらに、このような性質から冷暖房が効くのに時間がかかり、光熱費が高くなる可能性もあるでしょう。

結露・カビが発生しやすい

コンクリート打ちっぱなし物件は、結露やカビが発生しやすい点にも注意が必要です。上記で説明したように、コンクリート打ちっぱなしの場合、外気の影響を受けやすく、外と室内の温度差から結露が発生することもあります。結露を放置するとカビの原因になるため、こまめに拭く、除湿器を使うなどの対策を行いましょう。

汚れが目立ちやすい

コンクリート打ちっぱなし物件は、汚れが目立ちやすい点も注意点の1つです。コンクリートは内部の水分が蒸発することでひび割れが生じやすく、内部の鉄からのサビが染み出て汚れる場合があります。また、内壁のコンクリートも、壁紙やタイルなどを貼っていないため汚れやすく、壁の凹凸によって掃除の手間がかかる可能性があります。

コンクリートの目立ちやすい汚れ

コンクリート打ちっぱなし物件のメンテナンス方法

コンクリート打ちっぱなし物件は、定期的にメンテナンスを行わないと、シミやひび割れなどが発生する恐れがあります。コンクリート打ちっぱなし物件を所有している方は、定期的に手入れし、きれいな状態を維持できるように心がけましょう。

コンクリート打ちっぱなし物件のメンテナンス方法として、以下の3つが挙げられます。

・撥水剤やカラークリヤーなどのコーティングをする
・風通しをよくする
・定期的に汚れを落とす

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

撥水剤やカラークリヤーなどのコーティングをする

コンクリート打ちっぱなし物件では、壁の表面に撥水剤やカラークリヤーなどのコーティングをして汚れを防止するのが一般的です。

撥水剤は、コンクリートの防水性を高め、主に外壁に雨が染み込むのを防ぐために塗ります。無色透明なのでコンクリートの質感を損なわない一方、既に付いているシミや汚れはカバーできません。一方のカラークリヤーとは、着色剤が入ったクリヤー塗料です。コンクリートの素材感を生かしながらシミをカバーできるほか、防水性も高いというメリットがありますが、撥水剤より工事費用が高くなる可能性があります。

ただし、上記のようなコーティングを区分所有のマンションで行うには、管理組合の許可が必要です。

風通しをよくする

風通しをよくすることも、コンクリート打ちっぱなし物件のメンテナンス方法の1つです。定期的に換気をすることで、室内に湿気がこもりにくくなり、結露やカビを予防できます。窓を開けたときに換気扇を一緒に稼働させると、より風通しがよくなるでしょう。

換気をしている家

定期的に汚れを落とす

コンクリート打ちっぱなし物件では、汚れを定期的に落とすことできれいな状態を維持できます。壁に傷が残らないように水や柔らかいブラシ、モップで掃除すると、コンクリートのスタイリッシュな見た目を長く保てるでしょう。頑固な汚れには高圧洗浄も効果的ですが、壁面を傷める場合があるので注意が必要です。

コンクリート打ちっぱなし物件を売る際のアピールポイント

ここでは、コンクリート打ちっぱなし物件を所有している方向けに、売却の際に役立つアピールポイントをご紹介します。主なアピールポイントは、以下の2つです。

・クールで都会的なデザインを楽しめる
・防音性が高い

コンクリート打ちっぱなし物件は、クールで都会的なイメージを与えるため、特に若者に人気が高い傾向があります。さらに、コンクリートの性質上、防音性が高いため、静かに暮らしたい人やペットと一緒に暮らしたい人、子育て中の人など、幅広いターゲット層から需要が見込まれるでしょう。コンクリート打ちっぱなし物件だからこそといえるポイントをアピールすることで、売却成功につながる可能性が高まります。

コンクリート打ちっぱなしマンション

コンクリート打ちっぱなし物件の売買はまず不動産会社に相談を!

コンクリート打ちっぱなし物件は、デザイン性や耐震性・耐火性の高さといった点から買い手に人気があります。しかし、外気温の影響を受けやすい点や結露・カビが発生しやすい点などには注意が必要です。このように、メリット・注意点の両方を持つコンクリート打ちっぱなし物件の売買は、知見を持っている不動産会社に相談するとよいでしょう。

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不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/