
不動産の相場を知りたい!サイトを利用して自分で調べる方法
不動産の相場情報はサイトを利用すれば自分で調べることが可能です。売却したい家の市場価値や、不動産会社に提示された査定額が妥当かどうかを知りたいときに役立ちます。この記事では、不動産の相場を調べられる3つのサイトの特徴や違いを説明します。
目次
不動産の相場を調べるには?
不動産売却では、まず不動産会社に査定を依頼しますが、提示された査定額が妥当なのかどうか、一般の人には判断が難しいものです。しかし、おおまかな相場を知っていれば、査定額が相場から大きくかけ離れていないかを把握することができます。また、自分で家の相場を把握していれば、今後家を売り出す際に決める売り出し価格の目安にもなるでしょう。
不動産のおおまかな相場は、インターネットの専用サイトを利用して調べることができます。主な専用サイトは、次の3つです。
・物件検索サイト
・レインズマーケットインフォメーション
・不動産情報ライブラリ
今回は、不動産の相場を自分で調べたい方に向けて、上記3サイトの特徴や違いを解説していきます。
物件検索サイト
不動産の相場を調べられるサイトの1つは、各不動産会社が運営する物件検索サイトです。
物件検索サイトには、現在売り出し中の物件の情報が掲載されています。掲載情報から売りたい物件に似た条件の物件がいくらで売り出されているかを調べることで、おおまかな相場が分かります。下記に挙げた条件を指定し、検索してみましょう。
・最寄り駅
・最寄り駅からの距離や時間
・広さ(建物面積や土地面積など)
・築年数
・間取り
条件検索によって表示された物件を選んで、いくらくらいの価格で売り出されているのかを確認しましょう。なお、おおまかな地域情報と物件種別を入力することで、相場や購入検討者情報が確認できるサイトもあります。
なお、三井のリハウスのサイトではマンションや一戸建て、土地の相場を都道府県別で簡単に調べることができますので、こちらも併せてご利用ください。
マンションの相場を都道府県から探す
一戸建ての相場を都道府県から探す
土地の相場を都道府県から探す
物件情報に掲載されている売り出し価格は、あくまで売主の希望価格です。売買契約が成立したときの成約価格は、売り出し価格より安くなる場合があることも頭に入れておくとよいでしょう。
レインズマーケットインフォメーション
不動産の相場を調べられるサイトには、レインズマーケットインフォメーションもあります。
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するレインズマーケットインフォメーションは、不動産業者が情報を共有するためのサイトです。国土交通省の指定流通機構である「レインズ」の成約物件情報をもとに、一般向けに一部の情報が公開されています。
特徴の1つは、売り出し価格が登録されている物件検索サイトとは異なり、不動産会社から収集した実際の取引価格(成約価格)をもとに集計されていることです。そのため、売却を検討している物件周辺の取引事例をもとに、リアルな相場を調べられます。
検索を行う際は、最寄り駅や築年数、間取りなど細かい指定検索が可能です。また、過去2年間の市場動向がグラフで表示されるので、価格の推移も把握できます。
ただし、個人情報保護のため、広い範囲での住所検索しかできません。このサイトはおおまかな相場を把握するためのツールと捉え、不動産会社の査定と大きな差がある場合は査定額の根拠を確認するようにしましょう。
不動産情報ライブラリ
不動産の相場を調べられる3つ目のサイトは、国土交通省が運営する不動産情報ライブラリです。
不動産情報ライブラリは、2024年4月に前身の土地総合情報システムから移行したサイトで、以下をはじめとする情報が掲載されています。
・レインズが保有する成約価格
・取引当事者へのアンケート調査による不動産取引価格
・都道府県地価調査による価格
・国土交通省が発表している地価
また、1つの地図上に複数の情報を表示できるので、情報を比較・検討しやすく、市区町村名や最寄り駅などからも絞り込み検索できる点が特徴です。ただし、情報が最新であるとは限らない点に注意しましょう。
以下の表は、ここまでの内容を一覧にまとめたものです。サイトからマンションや一戸建て、土地などの不動産のおおまかな相場価格を調べたいときは参考にしてみてください。
サイト名 | サイトの特徴 | データ | 運営元 |
---|---|---|---|
物件検索サイト | 各不動産会社が売り出している物件の情報が掲載されている | ・現在売り出し中の物件価格 | 各不動産会社 ※各物件検索サイトにより掲載情報は異なります。 |
レインズマーケットインフォメーション | 不動産会社から収集した、実際の売買取引事例にもとづく成約価格が登録されている | ・不動産会社から収集した実際の成約価格 | 国土交通大臣指定の不動産流通機構(レインズ) |
不動産情報ライブラリ | 2024年4月に土地総合情報システムから移行したサイトで、価格以外にも人口、防災、都市計画などさまざまな情報が掲載されている | ・レインズが保有する成約価格 ・不動産の取引当事者に対するアンケート調査による不動産取引価格 ・都道府県知事が発表している都道府県地価調査による価格 ・国土交通省が発表している地価 | 国土交通省 |
土地の相場は公的なサイトから自分で調べられる
土地を売却したい場合は、土地価格に関する公的な情報から相場の目安を算出できます。土地の売却相場を調べる際に参考になる公的価格は以下の4つです。
・地価公示価格
・基準地価
・路線価
・固定資産税評価額
これらは都道府県や国土交通省、国税庁などの公的機関が調査・公表している土地評価で、各機関のサイトから確認できます。これらの情報をもとに、土地の売却相場を計算することが可能です。
●土地の売却相場の計算方法について詳しい記事はこちら
なお、実際の成約価格は市場の状況によって変動するため、計算で求めた売却相場はあくまで参考程度にとどめておきましょう。より正確な相場が知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼しましょう。
サイトで不動産の相場を調べたら査定を受けてみよう
実際にご紹介してきたサイトを利用して、売却したい物件の相場をつかめたら、不動産会社による査定を受けてみましょう。査定には、大きく分けて「AI査定」「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」の3種類があります。以下の表でそれぞれの特徴を確認してみましょう。
査定の種類 | 概要 | 精度 | 手軽さ・スピード | おすすめな人 |
---|---|---|---|---|
AI査定 | 簡単な物件情報をもとに査定額を算出 | △ | ◎ | 不動産売却の意思が固まっておらず、どのくらいで売却できそうなのかをおおまかに気軽に知りたい人 |
簡易査定(机上査定) | 物件情報や立地情報、類似物件の成約価格のほか、公示価格や路線価なども加味して査定額を算出 | 〇 | 〇 | 不動産売却を検討し始め、どれくらいで売れそうか手間をかけずに知りたい人 |
訪問査定 | 不動産会社の担当者が実際に現地調査を行い、物件の状態や周辺環境を確認したうえで査定額を算出 | ◎ | △ | 売却の意思が固まっており、時間や手間がかかっても精度の高い査定を受けたい人 |
それぞれについてさらに詳しく解説します。
AI査定は、基本的な物件情報を入力すると、AIが過去の取引データを参考に査定額を提示する査定方法です。その場で結果がすぐ分かるというメリットがある一方、簡易査定や訪問査定と比べて査定額を判断する情報量が少ない分、精度は下がります。そのため、不動産売却の意思がまだ固まっておらず、どれくらいで売却できそうかおおまかに知りたい人向けといえるでしょう。
●AI査定について詳しい記事はこちら
簡易査定は、築年数や面積などの物件情報、過去の類似物件の成約価格のほか、公示価格や路線価などを加味して不動産会社の担当者が査定額を算出する方法です。実際の物件には訪問しないため、机上査定とも呼ばれます。
●簡易査定について詳しい記事はこちら
訪問査定は、物件の基本情報に加えて、不動産会社の担当者が実際に現地調査を行い、物件の状態や周辺環境を確認したうえで査定額を算出する方法です。AI査定や簡易査定と比べると時間がかかりますが、担当者が物件を直接チェックする分、精度が高くなります。そのため、売却の意思が固まっており、より精度の高い査定額を知りたいという方は、訪問査定を依頼するのがおすすめです。
●訪問査定について詳しい記事はこちら
売りたい物件の相場を自分で把握していれば、不動産会社に提示された査定額が適切かどうかを判断できます。適切でないと思われる場合は、不動産会社にその根拠を問い合わせることも可能です。自分で相場感をつかみ、納得できる不動産会社選びをしましょう!
●三井のリハウスの無料査定はこちら
●リハウスAI査定はこちら


不動産鑑定士 竹内英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/