不動産の見積もりとは?売却時に必要な査定の方法を解説

不動産価格の見積もりをすることを「査定」といいます。不動産の売却や相続の際に、査定を依頼することで不動産のおおまかな価格が分かります。今回は不動産の見積もりについて、複数の査定方法や準備、注意点などをご紹介します。

目次
  1. 不動産の見積もりはいつ必要?
  2. 不動産の見積もり方法は2種類
  3. 無料査定の種類
  4. 見積もりに影響するポイント
  5. 不動産の見積もり前に準備すること
  6. 見積もりを不動産会社に依頼する際の注意点
  7. よくある質問
  8. 不動産の見積もりを依頼して納得のいく売却を目指そう!
2025.05.25

不動産の見積もりはいつ必要?

不動産の見積もりが必要になるのは、不動産を売却するときや相続するときです。見積もりを取ることで、不動産のおおよその価格を把握できます。

特に売却においては、まず見積もりを取り、目安を把握しておくことが大切です。不動産の売り出し価格は、見積もり額をもとに決定するため、見積もりは売却への第一歩といえるでしょう。

不動産の見積もりを取る人

不動産の見積もり方法は2種類

不動産の見積もり方法には、有料と無料の2種類があります

有料となるのは、不動産鑑定士による「不動産鑑定」です。裁判所や税務署などで資料として使用できる「不動産鑑定評価書」を作成してもらえるため、相続や離婚時の財産分与など、公平性かつ正確性が求められる場面では、不動産鑑定士による鑑定を依頼するとよいでしょう。ただし、不動産鑑定士への報酬が数十万円ほど発生することもあります。

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無料で行われるのは、不動産会社に依頼する査定です。不動産会社による査定がなぜ無料で行われるかというと、宅地建物取引業法のガイドラインにより、「査定等にかかった費用は請求できない」と決められているからです。そのため、「売却のためにとりあえずおおまかな価格を知りたい」という方は、不動産会社の無料査定を依頼してみましょう。

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不動産の見積もり方法

無料査定の種類

不動産会社に依頼できる無料査定には、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」の3種類があります。それぞれの査定方法について、特徴や押さえておきたいポイントをご紹介します。

AI査定

AI査定は、過去の成約事例をもとに、AIが自動的に不動産価格を算出する査定方法です。基本項目を指定のフォームに入力するだけで簡単に査定結果が得られ、早ければ瞬時に査定額(査定価格)が分かります

AI査定のメリットは、電話番号の登録が不要な点です。そのため、不動産会社の営業担当者から電話がかかってくる心配がありません。また、営業担当者との直接的なやりとりがないため、売却の意思がまだ定まっていない方も気軽に申し込みやすい査定方法です。

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無料査定の種類

簡易査定

簡易査定は机上査定とも呼ばれ、築年数や面積・立地など、依頼者から提供された情報を参考に、自宅への訪問なしで行う査定方法です。

依頼は各不動産会社のWebサイトやアプリ、メールなどから行えます。まだ売却するかどうか決めていない段階や、単に相場を知りたい場合でも、気軽に依頼できる点が簡易査定のメリットです。

簡易査定は不動産会社の営業担当者が自宅に訪問せずに行うため、数日程度で結果が分かります。ただし、訪問査定よりも査定結果の精度は低くなるのが一般的です。

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訪問査定

売却の意思が固まっている方や、高精度な査定額を知りたい方は、訪問査定を依頼しましょう。訪問査定では、不動産会社の担当者が現地に赴き、実際にその物件を調査しながら査定額を算出するため、AI査定や簡易査定より精度の高い査定額が得られます。主な調査内容は以下の通りです。

・物件の立地(駅からの距離)
・接道の状況
・方位
・日当たり
・建物の劣化状況
・室内の使用状況
・周辺施設

また、訪問査定では、不動産会社の担当者と直接会えるため、疑問に思ったことをその場で質問できます。対面でのやりとりを通して、担当者の対応や説明の分かりやすさ、査定額の根拠などを確認し、仲介を依頼する不動産会社選びの判断材料にしましょう。

なお、訪問査定は、結果が出るまでに早ければ2日~3日、遅くとも1週間程度かかります。現地調査の後、役所や法務局で法規制やインフラの状況なども調査するため、AI査定や簡易査定よりも時間がかかる傾向があります。

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駅近市街地の風景

見積もりに影響するポイント

査定額は、不動産の条件によって大きく変動するものです。ここからは、査定の際にチェックされやすい主なポイントを解説します。

物件の状況

売却対象となる物件の状況は、査定額に大きく影響します。具体的には、築年数・内装・最新設備の有無などが挙げられます。

一般的に、築年数が新しいほど査定額は高くなります。なぜなら、築年数が経過するに伴い、建物の資産価値は減少するためです。ただし、最近は新築物件の価格上昇によって中古物件の需要が高まっているため、中古でも高い査定額を提示される場合があります。

また、建物の内装も査定時にチェックされるポイントです。壁紙やフローリングの劣化状況、雨漏りの有無、水回りの設備なども細かく確認されるため、日頃のメンテナンスを心がけましょう。

そのほか、スマートホーム設備や自動点灯照明、太陽光発電システムなどの最新設備は、査定額がアップするポイントになります。

スタイリッシュな内装の家

周辺の環境

駅や生活利便施設(商業施設、公共施設、医療・福祉施設など)が近い物件ほど、査定額が高くなる可能性があります。そのほか、オフィス街や学校が近いこと、中心街へのアクセスのよさなども有利な条件となるでしょう。また、大規模な再開発が予定されているエリアの物件も、今後の人気が見込まれるため、売却相場が高まる可能性があります。

不動産の見積もり前に準備すること

不動産の見積もりを依頼する場合、売主は事前にどのような準備をしておく必要があるのでしょうか?ここからは、訪問査定を依頼する前に準備しておくべきことを説明します。

見積もり前に準備することを作成する人

書類を用意する

不動産会社に見積もりを依頼する際には、本人確認書類以外に、特に必要な書類はありません。しかし、実際の売却を見据えて用意しておいたほうがよい書類があります。用意する書類は、一戸建ての場合とマンションの場合で異なります。

一戸建て査定の必要書類(あるとよい書類)マンション査定の必要書類(あるとよい書類)
登記簿謄本(登記事項証明書)登記簿謄本(登記事項証明書)
地積測量図登記権利証または登記識別情報通知
建物図(確認申請図または竣工図など)分譲時のパンフレット、図面集
公図耐震診断報告書
登記権利証または登記識別情報通知アスベスト使用調査報告書
土地の境界が確認できる資料固定資産評価証明書または固定資産税納税通知書
越境の覚書、私道の覚書管理規約・使用細則
建築確認済証と検査済証管理費・修繕積立金の記載書類
固定資産評価証明書または固定資産税納税通知書長期修繕計画書
リフォームの実績総会議事録・議案書(直近3年分)

査定の際に、これらの書類がない場合は、不動産会社の担当者にその旨を伝え、売却時までにそろえておくとよいでしょう。

●不動産売却時に必要な書類についてはこちら

売却希望価格や期限を決めておく

見積もりを依頼するまでに準備しておくこととして、売却希望価格と売却期限の設定があります。売却希望価格は、この価格であれば即決できるという上限価格と、これ以上は値下げできないという下限価格の2種類に分けられます。特に住宅ローンの残債がある場合には、いくらで売ればローンを完済できるか確認し、下限価格を設定しましょう。

ほかにも、転勤や引越し、子どもの進学などで売却期限が決まっている場合は、事情を不動産会社に伝えましょう。

進学する子どもたち

周辺の相場を把握する

事前に自分で相場価格を調べ、周辺地域の相場を把握しておくことも大切です。不動産の相場は、主にインターネットで検索できます。たとえば「REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)」や「不動産情報ライブラリ」では実際に取引された成約価格が分かります。見積もり額は、不動産会社によって異なるものです。自分で近隣の取引状況を調べておくことで、不動産会社による見積もり額が適切かどうかを判断する材料にもなります。

見積もりを不動産会社に依頼する際の注意点

ここでは、不動産会社に見積もりを依頼するときの注意点をお伝えします。

見積もりで出された査定額が売却額になるわけではない

不動産の見積もりで出された査定額は、そのまま成約価格になるわけではありません。なぜなら、査定額とはあくまでその時点での市場推定価格だからです。

また、物件を売り出すときは、査定額を参考にして売り出し価格を決めますが、思うように売れずに値下げをしたり、購入希望者から値下げ交渉をされたりすることもあります。査定額がそのまま成約価格になるわけではないということは理解しておきましょう。

不動産の査定額と売却額の差

高過ぎる査定額を出される場合がある

不動産会社によっては、他社よりも高い査定額を提示してくることもあります。そのようなときは、なぜその査定額になったのか、何が根拠になっているのかを聞くようにしましょう。高い査定額を出す不動産会社のなかには、売主と不動産会社が結ぶ「媒介契約」を取ることを目的としているケースがあります。また、対象エリアの取引経験が少ないために、ほかよりも高い査定額を出してしまうという場合もあるため、注意が必要です。

家の査定を行う人

よくある質問

見積もりだけの依頼はできますか?

不動産会社に見積もりだけを依頼することはできます。見積もりを依頼して査定額を提示されても、必ずしも売却する必要はありません。また、不動産会社による査定は無料で行えるので、売却を検討している方は、気軽に査定を依頼しましょう。

●不動産の査定だけの依頼についてはこちら

シミュレーション査定とは?

シミュレーション査定は、過去の成約事例をもとにAIが不動産の査定額を算出する方法で、AI査定とも呼ばれるものです。メールアドレスやマンション名などの簡単な情報を入力するだけで、おおよその査定額が即時に分かります。手軽な一方、簡易査定や訪問査定より精度は低いため、売却を決める前におおまかな査定額が知りたい方におすすめです。

●マンション査定シミュレーションについてはこちら

不動産の見積もりを依頼して納得のいく売却を目指そう!

不動産の売却は、見積もりを取ることからスタートします。AI査定、簡易査定、訪問査定のなかから、自分の状況に合った査定方法を選びましょう。不動産査定を依頼する不動産会社を選ぶ際は、多くの売却実績を持つ信頼できる会社を選ぶと安心です。

三井のリハウスでは、AI査定、簡易査定、訪問査定を無料で行っています。100万件を超える取扱件数にもとづいたデータを使用しているため、高精度な査定結果を提示できるのが強みです。また、お客さまの不動産売却も丁寧にサポートしておりますので、売却をお考えの方はぜひお問い合わせください。

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村田洋一

らくだ不動産 不動産コンサルタント。宅地建物取引士、行政書士。消費者にとっての最良の不動産取引を目指し、多岐にわたる不動産トラブルの相談を受ける。
https://www.rakuda-f.com/