
区分マンションの売却ガイド!流れや売り時も解説
区分マンションの売り時にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?売却するタイミングは所有目的や売却理由によりさまざまです。この記事では、区分マンション売却のタイミングや流れなど詳しく解説していきます。
目次
区分マンションとは
区分マンションとは、マンション一棟ではなく、建物内の一戸ずつに分けられた物件を指す言葉です。また、不動産投資用語として、他人に貸し出すために所有する投資用マンションの一戸を指す場合もあります。
似ている用語として、分譲マンションもマンション内の一戸を指しますが、区分マンションは投資用物件、分譲マンションは居住用物件として所有目的によって使い分けられるのが一般的です。なお、不動産投資における区分マンションは一棟マンションの経営と比較し、初期投資が安いため不動産投資を始めやすいという特長があります。
区分マンションで不動産投資を行っている人のなかには、将来的にどのタイミングで売却するのがよいか知りたいという方もいるでしょう。そこで今回は、区分マンションを所有している方に向けて、物件売却のタイミングや流れ、さらに見落としやすい注意点まで詳しく解説していきます。
区分マンションの売却方法
区分マンションの売却方法には主に以下の2つがあります。
・空室で売る
・オーナーチェンジ物件として売る
それぞれについて詳しく解説します。
空室で売る
空室で売る場合、投資家だけでなく、居住用にマンションを探している人もターゲットにできるというメリットがあります。ただし購入後、新たに賃借人を見つけなければいけないため、投資家向けには売りにくいとされています。また空室の場合、投資家の買い手は、募集サイトやチラシに掲載されている想定賃料や、利回りで収入を判断する必要があります。
オーナーチェンジ物件として売る
オーナーチェンジ物件とは、賃借人は居住したまま、所有権のみを第三者に譲渡する物件のことを指します。この場合、空室での売却に比べて新たに賃借人を見付ける必要がないため、投資家への売却がスムーズにいきやすいです。また、賃借人からの承諾も不要であり、買主は購入後すぐに家賃収入を得られます。
区分マンション売却のベストなタイミング
投資用不動産として区分マンションを購入した場合は、収益性があるうちに売却するのが理想です。設備の故障や、床のへこみなどの経年劣化が生じる前に売ることも1つの選択でしょう。では具体的にいつ売却するべきなのでしょうか?
区分マンションには売却すべきタイミングがいくつかあり、主に以下の4つが挙げられます。
・不動産価格が高騰している
・所有期間が5年間を超えた
・耐用年数が近づいている
・賃借人がなかなか現れない
それぞれについて詳しく解説していきます。
●家を売るタイミングについてはこちら
●マンションの売り時についてはこちら
不動産価格が高騰している
不動産価格が高騰している傾向にあれば、区分マンションを売却するタイミングだといえます。なぜなら、買ったときの価格よりも売却価格のほうが高くなり、売却益の出る可能性があるためです。不動産価格がどのように上がっているかは、国土交通省によって毎月公表される不動産価格指数※1で確認ができます。以下の不動産価格指数のグラフによると、特にマンションの金額が年々高騰していることが分かります。
※1国土交通省より引用
所有期間が5年を超えた
区分マンションの所有期間が5年を超えた場合も、売り時といえるでしょう。なぜなら、所有期間が5年を超えた不動産の売却益は、長期譲渡所得と見なされ、所有期間が5年以下の場合と比較して課税率が低くなるためです。
具体的には、所有期間が5年以下の場合の売却益は、短期譲渡所得となり、所得税(復興特別所得税含む)が30.63%、住民税9%で合計39.63%が課税されます。一方で、5年を超える長期譲渡所得の場合の税率は、所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%で合計20.315%と、19.315%も課税率が低くなり、結果として大きな節税が可能になります。
ただし、所有期間の計算方法には注意しましょう。売却した年の1月1日を基準として考えるため、たとえば2024年7月に売却した場合は、2024年1月1日の時点で所有期間が5年を超えていなければ短期譲渡所得扱いとなります。
●長期譲渡所得と短期譲渡所得について詳しい記事はこちら
●不動産売却にかかる税金についてはこちら
耐用年数が近づいている
区分マンションの築年数が法定耐用年数まで経過、つまり減価償却期間が終了してしまうと、納税額が増える可能性があります。なぜなら、減価償却費を損益計算書の費用欄に計上できなくなる分、不動産所得の必要経費が少なくなり、節税効果がなくなってしまうからです。そのため、耐用年数をあらかじめ把握し、もしも耐用年数の終了が近づいている場合は売却することを検討しましょう。
●減価償却資産の耐用年数ついて詳しい記事はこちら
賃借人がなかなか現れない
区分マンションの借り手である賃借人がなかなか現れず、空室が続く場合は売却することを検討しましょう。なぜなら、空室が続くとランニングコストばかりがかかり続けて、損をする可能性があるからです。そのため、どうしても借り手が見つからない場合は売却してしまい、新たに家賃収入を得るための収益物件を購入することも検討しましょう。
ご紹介したタイミングに差し迫っている区分マンションを所有している方は、一度不動産会社に査定を依頼してみてはいかがでしょうか?
●不動産査定はこちら
区分マンションの売却の流れ
区分マンションと分譲マンションの売却の際には、双方の間に相違点はあるのでしょうか?区分マンションをオーナーチェンジ物件として売る場合には、一般的な不動産売却の流れに加えて、賃貸人変更通知書という書類の発行が必要になります。区分マンション売却の流れは以下の通りです。
[ 1 ] 不動産会社と媒介契約を結ぶ
[ 2 ] 売却活動を行う
[ 3 ] 購入希望者と売買契約を結ぶ
[ 4 ] 引渡しと決済を行う
[ 5 ] 賃貸人変更通知書を発行する
[ 6 ] 売却した翌年に確定申告を行う
●投資用マンションの売却の流れはこちら
区分マンションを売却するときに消費税は発生する?
区分マンションの売却には消費税が発生します。なぜなら事業者が事業として、建物を引き渡す対価により資産を得ているからです。一方で、売却する物件が、自分が居住していたマイホームの場合は事業ではなく、住まいの売却に当てはまるため、消費税はかかりません。区分マンションの売却には消費税が発生することを覚えておき、あらかじめ資金計画に組み込んでおくのがおすすめです。なお、消費税は建物のみにかかり、土地にはかかりません。
区分マンションの売却は不動産会社に相談しよう!
ここまで区分マンションを売却するタイミングや売却のケース、流れについて解説しました。本記事でもお伝えしたように区分マンションの売却には適切なタイミングやポイントがあり、それを意識することで、納得のいく価格で区分マンションを売却できる可能性が高まります。売却時期についてお悩みの方は、不動産売却のプロである不動産会社に一度、相談してみましょう。
三井のリハウスでは、豊富な取引実績をもとにした高精度な査定や、売却サポートを行っています。また、全国に展開したネットワークを生かして買い手を募っていますので、区分マンションの売却にお悩みの方は、ぜひ三井のリハウスまでお問い合わせください。
●無料査定のお申し込みはこちら
●区分マンションの売却をご検討中の方はこちら
●リハウスAI査定はこちら
※1出典:不動産価格指数(令和6年5月・令和6年第1四半期分)を公表
~不動産価格指数、住宅は前月比0.8%減少、商業用は前期比0.4%減少~
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001761032.pdf
(最終確認:2024年09月02日)


監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。