
マンション売却は10年後がベストなタイミング?価値や売るときのメリットを解説
マンション売却において築10年の物件は需要が高く、高値で売れやすいといわれています。今回は、築10年のマンションが売り時である理由と、売却の注意点、コツをそれぞれ解説します。
目次
築10年のマンションが売却にベストといわれる理由
「マンション売却は築10年がよいタイミング」だと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?今回は、築10年のマンションが売り時である理由と、売却する際の注意点やコツについて解説します。
築10年のマンションが売り時であるといえる理由は主に以下の3点です。
・資産価値の値下がり率が緩やかで需要が高い
・修繕費用を抑えられる
・節税効果を狙った売却ができる
1つずつ解説していきます。
資産価値の値下がり率が緩やかで需要が高い
築10年のマンションは比較的、高い価格で売れる可能性があります。というのも、築10年の経過であれば資産価値の値下がり率は緩やかで、まだまだ需要が高いからです。東日本不動産流通機構が公表している以下のグラフを見ても分かるように、築0~15年のマンションはほかの築年帯に比べて成約率が高い傾向にあります。※1
※1 出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)』より引用
特に築6~10年のマンションは、築0~5年や築11~15年の間でも成約率が高く、中古マンションのなかでも需要が高い期間といえます。
築6~10年のマンションの需要が高い理由として考えられるのは以下の2点です。
・コストパフォーマンスのよさ
・供給の少なさ
コストパフォーマンスのよさ
新築マンションや築浅のマンションよりも安い価格で購入できる点に加え、築10年以下なら外装や内装、設備などがきれいで機能性が高い場合も多く、コストパフォーマンスに優れているといえます。
供給の少なさ
2013年と2023年における中古マンション新規登録件数の築年数ごとの割合※1を見ると、築10年以下では、2013年は全体の24.8%を占めていましたが、2023年では全体の13.3%しかない状況です。
築浅の中古マンションは、年々市場に出回る割合が低くなっている傾向にあるため、さらに需要が高まっているといえるでしょう。
●マンションの売却タイミングについて詳しくはこちら
●築年数ごとのマンション売却について詳しくはこちら
修繕費用を抑えられる
一般的にマンションは、築12~17年くらいで経年劣化を補うため大規模修繕が必要なケースが出てきます。例として、外壁の塗り替えは12~15年周期、空調・換気設備の取り換えは13~17年周期など、必須箇所の寿命を迎え始めるのがこのタイミングです。これより前の、築10年のタイミングで売却してしまえば修繕費用を安く抑えることができます。
このタイミングでの売却は、メンテナンスの必要がないケースが多いのもポイントです。マンションの配管や水回り設備などの寿命は10~30年ほどで、建物付帯設備の法定耐用年数も基本的に15年と定められています。
節税効果を狙った売却ができる
住宅ローン控除の適用期間は最大13年で終了するため、適用期間が終わり、納める税額が増える前に売却するのも有効です。住宅ローン控除とは、住宅ローン減税とも呼ばれ、住宅ローンで不動産を取得した場合に、毎年のローン残高のうち0.7%を所得税から控除してもらえるという軽減措置のことです。
ほかにも新築でマンションを購入した方の場合、築10年を超える時期は譲渡所得にかかる税金が軽減されるタイミングでもあります。所有して10年を超えるマイホームの場合、要件を満たしていれば売却の際に譲渡所得にかかる税金の税率が軽減される特別措置です。
以上のような節税効果を狙うのであれば、マンション売却は築10年を超えたタイミングがおすすめといえます。節税についての詳細は後ほど解説いたします。
●マンション売却の相場について詳しくはこちら
築10年後のマンションを売却する際の注意点
ここまで築10年のマンションが売却する際にベストなタイミングであることをお伝えしてきましたが、売却するうえでは注意すべきこともあります。主に以下の2点を押さえておきましょう。
・住宅ローンを完済する必要がある
・売却価格が高くなりやすく、その分の変動費用がかかる
順番に見ていきましょう。
住宅ローンを完済する必要がある
原則として、住宅ローンを借り入れて、購入した不動産を売却するときは、住宅ローンの完済が必要となります。しかし、借り入れから10年程度の返済では、住宅ローンの残債は多い状態であることが一般的です。そのため、売却代金で完済できるか、できない場合は自己資金が用意できるかを確認しておかなければなりません。また、住み替えを考えている場合はその際のローンも考慮しておく必要があるでしょう。
売却価格が高くなりやすく、その分の変動費用がかかる
前述したように築10年のマンションは比較的高く売却できる可能性があるため、その分マンション売却にかかる諸費用も高くなる傾向があります。売却価格に応じて金額が変動する費用としては、仲介手数料が挙げられます。
築年数に限らず、マンション売却の際には、ほかにも気を付けたい点がいくつかあります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
●マンション売却の注意点について詳しくはこちら
築10年のマンションを売却する際のコツ
マンション売却の主なコツとして以下の3点を押さえることで、より高く、よりスムーズに売却できる可能性が高まります。
・住宅ローンの残債を考慮した売り出し価格を設定する
・大規模修繕中は避ける
・実績豊富な不動産会社を選ぶ
それぞれのコツについて具体的に見ていきましょう。
住宅ローンの残債を考慮した売り出し価格を設定する
前述したように、住宅ローンを完済しないとマンションを売却できないため、ローンの残債を考慮して売り出し価格を設定しましょう。ただし、残債を考慮した売り出し価格が相場より高過ぎても売れないため、不動産会社に一度相談してみるのがおすすめです。
大規模修繕中は避ける
大規模修繕時には、マンションがシートで覆われてしまうことが多く、日当たりや眺望など、本来の物件のよさが内覧で伝わりにくくなる恐れがあります。大規模修繕の前に売却すれば、売主にとっては物件本来の魅力をアピールできるといったメリットがあります。一方、修繕が終わった直後に売り出せば、当面の間大規模修繕が行われないため、買い手にとっては魅力的といえるでしょう。
実績豊富な不動産会社を選ぶ
査定を依頼する際や、売却の仲介を行ってもらうために媒介契約を結ぶ際には、実績豊富な不動産会社を選ぶようにしましょう。これまでの経験を生かした効果的な販売戦略を立ててもらえたり、売主の気持ちに寄り添ったきめ細かい対応を行ってもらえたりするため、満足のいくマンション売却へつながる可能性が高いといえます。
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マンションを所有して10年後の場合、税金が安くなる
ここまで築10年のマンションを売却する際のメリットや売却のコツを解説してきました。築年数を問わず、所有期間が10年を超えるマンションを売却する場合には、譲渡所得にかかる税金が安くなるという点もメリットとして挙げられます。
不動産売却において利益(譲渡所得)が生じた際、その利益に応じて税金がかかる仕組みがあることはご存じでしょうか?税率は、不動産の所有期間によって異なり、5年区切りで以下のように税率が異なってきます。
所得税率 | 住民税率 | 合計税率 | |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 所有期間5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 所得期間5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
上記税率には、復興特別所得税として所得税の2.1%相当が上乗せされています。
●譲渡所得にかかる税金について詳しくはこちら
さらに、所有期間が10年を超えている場合に、一定の要件を満たすと、マイホームを売ったときの軽減税率の特例が適用されます。この特例が適用されると、長期譲渡所得の20.315%が、14.21%(所得税10.21%、住民税4%)まで軽減されるようになります。そのため、売却の時期は所有期間が10年を超えたタイミングがおすすめです。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
●マイホームを売ったときの軽減税率の特例について詳しくはこちら
築10年後のマンション売却は計画的に
ここまで、築10年のマンションが売却におすすめの理由と、売却の際の注意点やコツについてお伝えしてきました。築10年のマンションは需要が比較的高く、売りやすいという傾向にあるため、売却を検討している場合は、築年数が経過して売却のメリットが薄れる前になるべく早く不動産会社に相談することをおすすめします。
三井のリハウスでは、マンション売却に関するご相談を承っています。所有されているマンションの無料査定のほか、査定結果が即時に分かるリハウスAI査定のご利用も可能です。
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※1 出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年),公益財団法人東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2024年9月20日)


監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。