
定期借地権マンションは売れない?売却時に後悔しないための注意点やコツを解説
定期借地権マンションは一般的に売れないといわれていますが、コツをつかめば売却は可能です。今回の記事では、定期借地権マンションが売れずにお悩みの方へ、定期借地権マンションが売れない理由や売れやすくするためのコツを解説します。
目次
定期借地権マンションとは?
定期借地権マンションとは、定期借地権に基づいて、主にデベロッパーが地主から借りている土地に建てたマンションのことです。
なお、定期借地権とは、普通借地権とは異なり、契約更新ができない借地権のことです。そのため、契約期間がすぎると、原則として持ち主へ土地を返還しなければなりません。定期借地権のうち、一般定期借地権の場合、契約期間は50年以上の長期となりますが、契約満了後は更地に戻す必要があります。つまり、居住者は将来住めなくなることを見越して、生活設計や資金計画、売却計画を立てなければなりません。
定期借地権が設定された中古マンションは、借地権の残存期間によって売れ行きが異なります。そのため、定期借地権マンションを所有している人のなかには、売却したくてもなかなか売れないのではないかと不安に思う方がいるかもしれません。ですが、コツを押さえることで売却は可能です。そこで、今回は定期借地権マンションについて、売れないといわれる理由や、売却するためのコツなどを解説します。
●借地権の種類についての詳しい記事はこちら
定期借地権マンションが売れない理由
定期借地権マンションが売れないといわれる理由として、主に以下の3つが挙げられます。
・居住期間が短くなる
・住宅ローンを組みにくい
・高いランニングコストが発生する
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
居住期間が短くなる
定期借地権マンションの場合、買主が希望する居住期間よりも短い期間しか住めない場合があります。なぜなら、定期借地契約の残存期間の範囲内でしか住めないためです。特に、定期借地契約の残存期間が短い場合は、買い手が見つかりにくいでしょう。
住宅ローンを組みにくい
一般的に、不動産購入では住宅ローンを利用する人が多いですが、定期借地権マンションの場合は金融機関の審査が厳しくなる傾向があります。その理由は、定期借地権マンションでは土地部分の所有権が地主にあるため、土地に抵当権を設定するハードルが高く、かつ借地権の残存期間を超える借入期間で住宅ローンは組めないからです。
そのため、定期借地権マンションの購入時に住宅ローンを組む際は、借地契約の存続期間が住宅ローンの返済期間の限度となるケースや、「ローン完済時に残存期間が10年以上あること」といった条件付きとなるケースが多くなります。
高いランニングコストが発生する
定期借地権マンションでは、地主に対して毎月地代の支払いが発生します。また借地権の契約期間が終了すると、建物を更地にして地主に返却しなければならないため、解体費用の積立金も必要です。住宅ローンや管理費に加えて、こういった支払いも合わせると月々の支払いが増える可能性もあります。この点は、買主が懸念する要素の1つになるでしょう。
定期借地権マンションと一般マンションの違い
定期借地権マンションと一般的なマンションでは、さまざまな違いがあります。以下は、定期借地権マンションと一般的なマンションの違いをまとめた一覧表です。売却を考えている方は資金計画の参考にしてみてください。
比較する項目 | 定期借地権マンション | 一般マンション |
---|---|---|
成約価格 | 相場の2~3割安い | 相場通り |
契約期間 | 50年以上の期間がある | なし |
契約満了時にすること | 建物を取り壊して更地の状態で返す | なし |
土地にかかる税金の負担 (固定資産税・都市計画税) | なし | あり |
借地料 | あり | なし |
解体積立金 | あり | なし |
上の表を見ると、定期借地権マンションには土地に関する税金がかからないというメリットがあります。定期借地権マンションの売却を検討する際は、一般マンションとの違いを把握し、特有のよさを訴求した売却活動を行いましょう。
ただし、一般マンションに比べて成約価格が相場の2~3割安くなる点には注意しましょう。
定期借地権マンションを買う側のメリット
一般的に売却が難しいとされている定期借地権マンションですが、買い手が魅力に感じるメリットもあります。たとえば、下記の3点です。
・土地に関する税金の負担がない
・相場より安く購入できる
・立地がよいことが多い
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。定期借地権マンションの売却を考えている方は、購入検討者にアピールできるよう参考にしてみてください。
土地に関する税金の負担がない
定期借地権マンションは、土地を借りているだけで所有はしていないため、土地に関する固定資産税や都市計画税といった税金がかかりません。ただし、建物部分にはこれらの税金がかかります。
土地に固定資産税や都市計画税がかからないことは、買い手にとって大きなメリットになります。地価の高いエリアにある定期借地権マンションの売却を検討している場合は、土地にこれらの税金がかからないことをアピールするとよいでしょう。
●固定資産税と都市計画税について詳しくはこちら
●固定資産税の計算についての詳しい記事はこちら
相場より安く購入できる
定期借地権マンションは土地を購入しない分、相場よりも安い価格で購入できます。定期借地権マンションを購入する際は、毎月の地代や購入時に借地権の権利金などを払う必要がありますが、それらを合わせても通常の土地購入より価格が抑えられるでしょう。
立地がよいことが多い
定期借地権マンションは比較的好立地に建てられているケースが多く見られます。なぜなら、定期借地権マンションは、地主が手放したくないと考えている土地に建てられる傾向にあるからです。そのため、定期借地権マンションのなかには都心の一等地に建つ物件もあります。条件のよい物件が相場よりも安く手に入ることは大きな魅力でしょう。
このように、定期借地権マンションにもメリットはあり、それらをアピールすることで売却しやすくなるでしょう。以下では、少し視点を変えて、定期借地権マンションを売りやすくするコツについて解説します。
定期借地権マンションを売れやすくするコツ
定期借地権マンションを売れやすくするコツは主に以下の2つです。
・残存期間が少なくなる前に売りに出す
・実績のある不動産会社に依頼する
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
残存期間が少なくなる前に売りに出す
借地権の残存期間が長いうちにマンションを売り出すことで、好条件で売れる可能性が高まります。なぜなら、定期借地権マンションの場合、残存期間が短くなるにつれて中古マンション市場における資産価値が下がるためです。定期借地権マンションの売却を検討している方は、売却に向けて早めに動くことをおすすめします。
実績のある不動産会社に依頼する
定期借地権マンションを売却する際、不動産会社選びも重要なポイントになります。実績がある不動産会社だと、独自のノウハウやネットワークなどを持っている可能性があるため、多くの取引実績がある不動産会社を選ぶことで、売却がスムーズに進む可能性が高まるでしょう。
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ここまで、定期借地権マンションが売れないといわれている理由や、売れやすくするコツなどについて解説してきました。一般的には売れないといわれている定期借地権マンションでも、アピールできるメリットや売り出すコツを押さえて売却活動を行えば買い手が見つかる可能性があります。定期借地権マンションの売却を検討中の方は、マンション売却をスムーズに進めるため、早めに不動産会社へ相談しましょう。
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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。