新築と中古で費用を比較!住宅を購入するならどっちが得?

不動産の購入費用は、新築と中古で変わります。そのため、資金計画を立てる際は、購入価格だけでなく税金についても把握することが大切です。この記事では、新築と中古どちらの住宅を購入するのが得なのか、それぞれを比較して検討します。

目次
  1. 【比較】新築と中古どちらを買うのが得?
  2. 物件の購入にかかる費用と相場
  3. 新築・中古の購入にかかる費用比較【マンションの場合】
  4. 新築・中古の購入時の費用比較【一戸建ての場合】
  5. 新築・中古の購入後にかかる費用比較
  6. 売買を成功させるには不動産会社選びが重要
2025.05.14

【比較】新築と中古どちらを買うのが得?

不動産の購入価格というと、新築物件よりも中古物件のほうが安く得になりそうだと考える方が多いのではないでしょうか?

実際、建物は築年数が古いほど価格が下がる傾向にあるため、新築物件より中古物件のほうが安いのが一般的です。しかし、エリアや立地、物件の状態などによっては、新築物件と中古物件の値段があまり変わらないケースもあります。新築と中古どちらの家がお得かは、購入者の資金や物件に求める条件によって変わってくるでしょう。

また、物件を購入するときは、さまざまな費用がかかります。では、具体的にどのようなものがあり、それぞれどの程度の金額がかかるのでしょうか?以下で詳しく説明します。

新築と中古住宅を購入するときにかかる諸費用

物件の購入にかかる費用と相場

不動産を購入する際には、税金を含めて主に以下のような諸費用がかかります。

費用の分類費用の種類内容
税金印紙税・売買契約書の記載金額によって税額が変わる
・物件の購入価格が1,000万円超~5,000万円以下は1万円、1億円以下は3万円(2027年3月31日まで軽減措置が適用)
登録免許税・登記の種類によって税率が異なる
・土地の所有権移転登記は1.5%(2026年3月31日まで軽減措置が適用)、建物を新築したときの所有権保存登記は原則0.4%、中古住宅の所有権移転登記は原則2.0%
不動産取得税・固定資産税評価額×3%(2027年3月31日までの軽減税率)で算出される
その他の費用仲介手数料・400万円を超える物件の場合、物件価格×3%+6万円+消費税で算出される
住宅ローン手数料・定額型と定率型があり、定額型の場合はおおよそ数万円~30万円程度、定率型の場合は借入金額×2.2%(税込)に設定している金融機関が多い
司法書士への報酬・不動産の登記を司法書士に依頼した場合に発生する
・3万円~10万円程度が目安
火災保険料・住宅ローン借り入れ時、加入が義務付けられていることが多い
・建物の構造や築年数により異なるが、マンションの5年一括払いは年間3万円~4万円程度、一戸建ての5年一括払いは年間10万円~15万円程度

なお、新築・中古それぞれに、購入する状況次第で内訳や額に違いが出ることがあり、ハウスメーカー等の住宅販売業者が売主の物件を購入する場合は物件価格の4%~6%、不動産仲介会社の仲介を経て購入する場合は7%~10%程度必要とされています。たとえば、ハウスメーカーから購入する4,000万円の新築一戸建ての諸費用は、160万円~240万円程度です。

次は、マンションと一戸建てに分けて、新築と中古それぞれの購入にかかる費用を比較してみましょう。

新築・中古の購入にかかる費用比較【マンションの場合】

マイホームとしてマンションを購入するときは、新築と中古それぞれ、以下のような諸費用がかかります。

費用の種類新築中古
印紙税必ずかかる必ずかかる
登録免許税必ずかかる必ずかかる
不動産取得税一定の要件を満たせば、(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×3%で計算されるケースもある一定の要件を満たせば、固定資産税評価額にかかる税率が4%から3%に軽減される(2027年3月31日までの特例)
消費税個人から購入する場合以外では建物価格に消費税がかかる(さらに不動産会社の仲介を経て購入する場合は仲介手数料に、住宅ローンを利用する場合は事務手数料に、司法書士に依頼する場合はその報酬に消費税がかかる)個人から購入する場合以外では建物価格に消費税がかかる(さらに不動産会社の仲介を経て購入する場合は仲介手数料に、住宅ローンを利用する場合は事務手数料に、司法書士に依頼する場合はその報酬に消費税がかかる)
仲介手数料不動産会社に仲介を依頼する場合はかかる(ハウスメーカーから直接購入する場合はかからない)不動産会社に仲介を依頼した場合はかかる(業者売主物件を購入する場合はかからない)
住宅ローン手数料住宅ローンを借り入れる場合はかかる住宅ローンを借り入れる場合はかかる
住宅ローン保証料住宅ローンを借り入れる場合はかかる住宅ローンを借り入れる場合はかかる
司法書士への報酬依頼した場合はかかる依頼した場合はかかる
火災保険料原則加入する原則加入する
修繕積立基金居住するマンションの規定の金額がかかるかからない
管理準備金契約時に一括で支払うことが多いかからない

●不動産購入の諸費用についてはこちら

●仲介手数料の相場についてはこちら

上の表にある項目のうち、新築、中古それぞれ業者売主物件を購入したときの費用として「建物に対する消費税」と、新築マンションのみにかかる費用として「修繕積立基金」「管理準備金」があります。それぞれどのような費用か、以下で詳しく説明します。

建物に対する消費税

新築でも中古でも業者売主物件を購入する場合は、建物の価格に消費税がかかります。ただし、土地の価格には消費税がかかりません。そのため、建物の価格×税率10%で消費税額が算出されます。

業者売主物件のマンション

修繕積立基金

修繕積立基金とは、新築マンションの購入時のみに発生する費用です。マンションでは大規模修繕に備えて修繕積立金を毎月支払いますが、新築当初は積立額がないため、新築時にまとまった金額を集めます。

金額は、マンションの立地や建物の構造などによって異なりますが、一般的に50万円~80万円程度とされます。マンションによってはさらに高くなるケースもあるため、購入前によく調べておくのがおすすめです。

管理準備金

管理準備金とは、管理費を補完するために支払う一時金のことです。新築マンションの場合、建設直後は管理組合にまだ資金がないため、維持管理に充てるための費用を一定額準備しておく必要があります。入居するマンションや区分所有する面積(持分)によって金額は異なりますが、相場は1万~2万円程度です。

マンションにかかる費用を計算している女性

新築・中古の購入時の費用比較【一戸建ての場合】

一戸建てを購入するときは、新築と中古それぞれ、以下のような諸費用がかかります。

費用の種類新築中古
印紙税必ずかかる必ずかかる
登録免許税必ずかかる必ずかかる
不動産取得税一定の要件を満たせば、(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×3%で計算されるケースもある一定の要件を満たせば、固定資産税評価額にかかる税率が4%から3%に軽減される(2027年3月31日までの特例)
消費税個人から購入する場合以外では建物価格に消費税がかかる(さらに不動産会社の仲介を経て購入する場合は仲介手数料に、住宅ローンを利用する場合は事務手数料に、司法書士に依頼する場合はその報酬に消費税がかかる)個人から購入する場合以外では建物価格に消費税がかかる(さらに不動産会社の仲介を経て購入する場合は仲介手数料に、住宅ローンを利用する場合は事務手数料に、司法書士に依頼する場合はその報酬に消費税がかかる)
仲介手数料不動産会社に仲介を依頼する場合はかかる(ハウスメーカーから直接購入する場合はかからない)不動産会社に仲介を依頼した場合はかかる(業者売主物件を購入する場合はかからない)
住宅ローン手数料住宅ローンを借り入れる場合はかかる住宅ローンを借り入れる場合はかかる
司法書士への報酬依頼した場合はかかる依頼した場合はかかる
火災保険料任意だが原則加入する任意だが原則加入する

住宅ローンについては、新築と中古ともに税金の控除があります。また、住宅ローン控除は、一戸建てだけでなく、先述したマンションも対象です。なお、住宅ローン控除の要件は、新築と中古で異なります。あらかじめ内容を確認し、適用を受けるためには確定申告が必要なことにも注意しましょう。

●住宅ローン控除の適用条件などについてはこちら

新築・中古の購入後にかかる費用比較

住宅を購入した後にも、さまざまな費用がかかります。新築・中古それぞれについて詳しく見ていきましょう。

固定資産税・都市計画税

新築でも、中古でも、不動産を所有すると固定資産税が必ずかかります。さらに、市街化区域内に土地と建物を所有している場合は、都市計画税もかかります。固定資産税の税額は、課税標準額×税率1.4%であり、都市計画税は自治体によって異なりますが、固定資産評価額×制限税率0.3%で算出されることが一般的です。

固定資産税評価額は3年に1回見直されるほか、住宅および住宅用地については、課税標準や税額の軽減措置が設けられており、要件に当てはまれば新築建物は半減する可能性もあります。新築住宅の場合は、2026年3月31日までに建築された物件に特例が適用されるので、確認しておきましょう。

●固定資産税・都市計画税についてはこちら

●固定資産税の計算法についてはこちら

リフォーム・修繕費用

中古マンションや中古一戸建てでは、クロスの張り替えや水回りの修繕など、リフォームや修繕の費用が発生するケースがあります。なかには、中古住宅を安価で購入し、節約したお金で自分好みにリフォームしたいと考える方もいるでしょう。しかし、物件の状態によっては予想外に高額な費用がかかることもあるため、事前にしっかり見積もりを取ることが重要です。

中古住宅のリフォーム・リノベーション

管理費・修繕積立金

マンションを所有すると毎月かかる管理費と修繕積立金は、近年値上がりの傾向にあります。管理費とは、マンションの共用部分を維持・管理するための費用です。管理費の相場はエリアによって異なりますが、1万円~2万円程度で、近年新築されているマンションは共用部が充実しているため高い傾向があります。

一方、修繕積立金は、定期的な大規模修繕に備えるための費用です。具体的には、マンションのエントランスや外壁・廊下など、共用部分の経年劣化・不具合の修繕に用いられるのが一般的です。こちらも、費用の相場はエリアによって異なりますが、おおよそ6,000円~1万円程度で、築年数の古い中古マンションのほうが高い傾向があります。

なお、一戸建ての場合は、建物の経年劣化に備えて所有者自身が修繕費を用意します。

売買を成功させるには不動産会社選びが重要

冒頭でもお伝えした通り、不動産売買では大きな金額が動くことから、費用面を十分検討し、自分に合った物件を選ぶことが重要です。特に、マイホームの住み替え(買い替え)では、購入にかかる金額だけでなく、売却で得られる金額も考えなければなりません。双方のバランスを図ることで、希望の住まいへの住み替えが成立するため、しっかりと資金計画を立てておくようにしましょう。

また、不動産を購入するときは、実績のある不動産会社に相談することで、納得のいく不動産売買へ導いてもらいやすくなります。売却の際も、不動産会社次第で希望に近い条件で成約できる可能性が高まるため、不動産会社選びは大切です。

●物件の購入の流れについてはこちら

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三井のリハウスでは、購入だけでなく、売却のサポートも行っています。たとえばマイホームの買い替えを検討していて、不動産の購入だけでなく売却も検討されている方、不動産売買についてお悩みの方は、ぜひ三井のリハウスまでお気軽にお問い合わせください。

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信頼できる不動産会社の担当者

不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
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